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スーパーフォーミュラ決勝:コースアウト続出のレース1はロッテラーが優勝。王座決定ならず

2015年11月08日 11:20  AUTOSPORT web

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決勝レース1でポール・トゥ・ウインを達成したアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)
全日本選手権スーパーフォーミュラ第7戦JAF鈴鹿グランプリは8日、午前10時より20周の決勝レース1が行われ、レインコンディションのスプリントレースでアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)がポール・トゥ・ウイン。2位には、ランキング首位の石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が入ったが、タイトルを争う中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)が4位に入ったため、チャンピオンの行方はレース2に持ち越されることとなった。

 今季第2戦で初ポールポジション獲得と初優勝を果たした石浦と、2連覇で3回目のチャンピオンを狙う中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)がチャンピオンシップ争いの上で実質“一騎打ち”のような形で迎えたこの最終戦。

 前日の夜から雨が降り始め、迎えた決勝日も朝から雨に。また、フォーメーションラップ開始の10分前にはセーフティカースタートが宣言され、午前10時からセーフティカー先導のもとでレース開始となった。

 各マシン、セーフティカー先導のもと2周を終え、3周目から本格的にレーススタート。ロッテラーが危なげなくホールショットを決めると、2番手から石浦、ジェームス・ロシター(KONDO RACING)、小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)、一貴、山本尚貴(TEAM無限)、ジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL)とグリッド通りに続いていく。


 ロッテラーは徐々にリードを拡大していく一方、5周目には3番手のロシターが石浦の背後に接近。ロシターはオーバーテイクシステム(OTS)を使いながら攻勢をかけるも、オーバーテイクはならなかった。

 その後方では、8周目の130Rに向けて9番手のオリベイラがOTSを使いながら山本のインに。山本もOTSを使ったディフェンスを見せ、両車接近した状態のままシケインへ。しかし、進入で接触があった様子で、オリベイラはフロントウイングを破損しながらオーバーラン。その後もかなり不安定な様子で走行を続けるも、ヘアピンアウト側のグラベルに捕まる形でレースを終えた。

 さらにその後方では、アンドレア・カルダレッリ(LENOVO TEAM IMPUL)と中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)の15番手争いの中で、11周目の1コーナーで2台ともにスピンしながらコースアウト。ただ、グラベルでうまく減速されたようで、大きなクラッシュとはならなかった。

 先頭では、ロッテラーが7秒前後の差をキープしながら独走状態。石浦とロシターの2番手争いも膠着状態となり、可夢偉もロシターの1秒以内につけるもバトルには至らないような状況。石浦2位、一貴5位でチェッカーとなった場合は石浦のタイトル決定とあって、そのまま新チャンピオンの決定となるかに思われた。

 しかし16周目、石浦の背後につけていたロシターが、なんとダンロップでコースアウトしてグラベルに捕まってしまう。これにより可夢偉が3番手、そして一貴は4番手に上がり、タイトルはまだまだわからない状況に。


 さらに、3番手に上がった可夢偉が、石浦より1.5秒ほど速いペースでその背後に接近。18周目の西ストレート~130RでOTSを使用して石浦のすぐ後ろにつけ、シケイン進入のイン側で並びかけるも、可夢偉はここでオーバーシュート。ショートカットして一旦前に出た可夢偉だったが、ここは石浦にポジションを返し、石浦が2番手を守るかたちとなった。

 その後、中山雄一(KCMG)が130Rでクラッシュを喫したことで、その区間でダブルイエローが振られたため、翌周は接近ならず。とはいえ、両者の接近した状況は続いていった。

 一方、首位のロッテラーは後続を6秒弱引き離してトップでチェッカー。石浦が2位に続き、終盤に魅せた可夢偉はコンマ7秒届かず3位となった。そして、レース中終始ペースの上がらなかった一貴は、可夢偉に30秒遅れる形となったものの4位に。この結果、石浦は49ポイント、そして一貴は41.5ポイントとなり、一貴が間一髪でチャンピオンの可能性を残したため、タイトル争いの行方はレース2に委ねられることになった。

 なおレース2でポールポジションにつけている山本は、終盤まで5番手を走行していたが、最終周を目前にスローダウン。そのままピットへと戻り、チェッカーを受けることは叶わず。原因は今のところ分かっていないが、レース2に向けて不安を残すこととなった。

 タイトルが決まることになるJAF鈴鹿グランプリの決勝レース2は、15時より28周で争われる。