トップへ

フォーミュラE第2戦プトラジャヤePrix決勝:乱戦乗り越えディ・グラッシ優勝。ブエミはトラブル

2015年11月07日 17:11  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

フォーミュラE第2戦プトラジャヤePrix 優勝したルーカス・ディ・グラッシ
フォーミュラEの第2シーズン第2戦プトラジャヤePrixの決勝レースが行われ、6番グリッドからスタートしたアプト・シェフラー・アウディ・スポートのルーカス・ディ・グラッシが、優勝。フォーミュラE通算2勝目を挙げた。ポールポジションからスタートしたセバスチャン・ブエミ(ルノー・e.ダムス)はマシントラブルに見舞われ、12位に終わっている。

 現地時間14時にスタートした、フォーミュラE第2戦プトラジャヤePrix決勝。2番手グリッドを獲得していたステファン・サラザン(ベンチュリ)だったが、マシンを動かすことができずにピットレーンスタートとなってしまい、せっかくの好グリッドをフイにしてしまう。

 仕切り直しとなったスタートでは、ポールポジションからスタートのブエミが無難なスタートを見せ、前が空いたアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(チーム・アグリ)を、3番グリッドのロイック・デュバル(ドラゴン・レーシング)が牽制して2番手をキープ。後方ではニック・ハイドフェルド(マヒンドラ・レーシング)とジャン-エリック・ベルニュ(DSヴァージン・レーシング)が接触し、ハイドフェルドがスピンして最後方に。一方のベルニュは右のフロントサスペンションを壊し、早々に戦線を離脱している。

 先頭に立ったブエミは順調に飛ばし、徐々に後続との差を広げていく。5周目に入った時点でその差は2秒。しかし、この5周目のターン5でオリバー・ターベイ(ネクストEV TCR)がウォールにクラッシュし、これが原因でセーフティカーが出動する。

 8周目からレースが再開。ターベイ、ネルソン・ピケJr.(ネクストEV TCR)、ハイドフェルドにファンブーストが与えられたことが発表されるが、ターベイはすでにリタイア、ピケJr.もハイドフェルドも後方を走る展開だ。

 リスタートからは再びブエミが後続との差を開き始める。ニコラス・プロスト(ルノー・e.ダムス)がダ・コスタを交わして3番手に浮上。プロストのペースは良く、すぐにデュバルにも追いつき、2番手のポジションを伺う。後方ではピケJr.のペースが上がらず、シモーナ・デ・シルベストロ(アンドレッティ)にもパスされ、ほぼ最後尾に。ピットレーンスタートのサラザンは、ファステストラップを記録しながら追い上げてくる。

 15周目のターン9で、先頭を行くブエミが突如スローダウン。ほとんど止まりかける速度でピットへ向かう。ソフトウエアのトラブルのようだ。これを見たチームメイトのプロストはすぐさまピットイン。ただし、20%近くエネルギーを残した状態でのピットインで、最後まで走り切ることができるかどうか、不安を残す。ブエミもなんとかピットに辿り着き、マシンを乗り換える。このトラブルで、デュバルが先頭に立ち、ダ・コスタが2番手、3番手にはディ・グラッシという隊列となる。

 先頭の3台がピットインしたのは17周終了時点。しかし、デュバルが制限時間よりも10秒以上多くピットに止まってしまい、ダ・コスタとディ・グラッシに先行を許してしまう。ペースが上がらないピケJr.は、エネルギー残量を巧みにコントロールし、20周目までピットインを引っ張る。この間に実質的な先頭はプロスト。2番手にはダ・コスタを交わしたディ・グラッシが上がっている。しかし早めにピットに入らざるを得なかったプロストは、エネルギー残量がディ・グラッシに比べて10%も少ない。

 そして24周目、エネルギーをもたせるべくペースダウンしたプロストを、ディ・グラッシがオーバーテイク。遂に先頭に立つ。翌周にはダ・コスタもプロストをパスして2番手へ……しかしポジションを上げて喜んだのも束の間、ダ・コスタは26周目のターン1をクリアしたところでスローダウンしてしまう。ダ・コスタはマシンを再起動してなんとかコースに復帰するも、大きく順位を落としてしまう。

 プロストはやはりペースを上げることができず、26周目にはデュバルに、28周目にはジェローム・ダンブロジオ(ドラゴン・レーシング)とロビン・フラインス(アンドレッティ)にパスされてしまう。後方ではサラザンがダニエル・アプト(アプト・シェフラー・アウディ・スポート)を料理して8番手に。

 30周目、ダンブロジオをパスしたフラインスがオーバーランし、ターン9でウォールに激突。アライメントを崩してしまう。そしてその直後、2番手を走っていたデュバルがターン11で突如ストップ。バッテリーの問題か、再スタートを切ることすらできず、この場でレースを終えてしまう。31周目にはプロストがコーナーを曲がり切れずにウォールへ直進、その次の周にはブエミが再びスローダウンし、せっかくポイント圏内まで追い上げていたリカバリーが台無しになってしまう。

 そして迎えた最終ラップ。先頭のディ・グラッシはダンブロジオを3秒以上離して逃げる。しかし、ディ・グラッシのエネルギー残量はギリギリなのに対し、ダンブロジオは10%以上多く残している。ダンブロジオはこのエネルギーをフルに使い、ディ・グラッシを追う……しかし、勢い余ってコーナーをオーバーランしてマシンの左サイドをウォールにクラッシュ。レース続行は不可能な状態で、ダンブロジオは頭を抱えてコース脇にマシンをストップさせる。

 ライバルが自滅したディ・グラッシがそのままトップチェッカー、バードが2位、今季FEデビューのフラインスが3位でフィニッシュした。以下、ピットスタートのサラザンが4位まで追い上げ、ダ・コスタが6番手でなんとかフィニッシュ、ピケJr.もピットストップを遅らす作戦が功を奏して8位でフィニッシュしている。ブエミは入賞できなかったものの、ポールポジション+ファステストラップで5ポイントを持ち帰っている。この結果により、勝利したディ・グラッシが獲得ポイントを43としてランキング首位に浮上。ブエミが35ポイントで2位になっている。