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TWEEDEES出演『レコードの日』トークイベントレポ 沖井礼二と“プロ生徒”清浦夏実がレコードの魅力伝える

2015年11月07日 16:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『レコードの日』トークイベントの模様。

 東洋化成が主催するイベント『レコードの日』を記念したトークイベントが11月3日、タワーレコード新宿店にて行われた。TWEEDEESの沖井礼二と清浦夏実が出演し、レコードへの思いを語った。


 『日本唯一のアナログ盤プレス工場を持つ東洋化成が主催する『レコードの日』は、この日のために制作されたレコードを同日から一斉に販売するイベント。参加ショップにはディスクユニオン、HMV、タワーレコードの各店舗が名を連ねており、この日の司会進行役にはタワーレコード株式会社の行達也氏が登壇した。


 冒頭で沖井は、ライブのない、トークのみのイベントであることについて、先日O-WESTで行われたイベントで話したりなかったとした上で、「思う存分喋っていきたい」と嬉しそうに語った。46歳の沖井は“3年B組レコード先生”と自らを称し、レコードを所持したことがないという(そして『3年B組金八先生』に出演経験のある)25歳の“プロ生徒”清浦に、レコードのかけ方をレクチャーした。


 まず、清浦がこの日リリースされたTWEEDEESの『Winter's Day / Boop Boop Bee Doop! ~New Mix~』の7インチを手に取ると、沖井は「自分のだけど、待ちきれなくて2枚もポチりました」と話し、観客の笑いを誘った。続けて沖井が同店舗でイベント直前に購入したというレコードプレーヤーについて、「今のプレーヤーはUSBも付いていて取り込むことができる、これが文明の進化ってやつですね。文化の日にふさわしい話ですよ」と語ると、清浦は「そもそもアナログのものをデジタルに取り込むってどういうことですか?」と質問。これに沖井は「実際、僕も今までレコードを作らなかったのは、デジタルで録音したものをなぜアナログにする必要があるのかと思っていたから。でも、作って聴いてみると、ちゃんとレコードの音になっていて。その理由をカッティング工場の技師さんに聞いたら、『カートリッジが鳴るから、そこでどうしてもアナログになるんだ』と言われて。これからの作品を全部アナログで出そうと思った」と、レコードに対する考え方が変わったことを告白した。


 その後、清浦がプレーヤーを使って『Winter's Day / Boop Boop Bee Doop! ~New Mix~』を初めてプレイする場面に移るが、清浦は45回転のレコードを誤って33回転で掛けてしまい、観客は爆笑。沖井も「やると思ってたんだよー」といたずらに笑い、続けて「坂本龍一さんの『Media Bahn Live』という2枚組の盤があって、D面だけ45回転なのを気付かずに10年間聴いていたことがある」と、自身のエピソードも披露した。


 また、沖井は「レコードは盤面の模様を見て『ここがギターソロだな』とわかるから、この場を借りて当ててみたい」と『Winter's Day / Boop Boop Bee Doop! ~New Mix~』で実験。しかし見事に失敗し、観客の笑いを誘った。


 続けて3人はレコードとCDの音質の違いを検証。『Winter's Day / Boop Boop Bee Doop! ~New Mix~』の2曲目「Boop Boop Bee Doop! ~New Mix~」を使って聴き比べをした清浦は「レコードのほうがまろっとしている」と述べ、沖井は「中音域が違うよね。音源がCDになるとき、人間の可聴音域より上もしくは下をカットするんだけど、レコードのほうはそれが発生する。それが耳じゃなくて皮膚から入ってくる感じがして、僕は好きですね」と語った。


 行氏が「アナログレコードをレコード屋で買わずに、古道具屋で買う。昔の名曲は沢山流通していたぶん、1枚50円や100円で手に入るから」と語ると、沖井は「たまにアタリもあったりね。今日はそんな話もしたくて持ってきたんだよ」と続き、Cymbals『That's Entertainment』のプロモ盤7インチを取り出すと、会場からは笑いと歓声が起こった。沖井はこの盤について「『Show Business』『What's Entertainment?』『Mach 0.8』『Situation Vacant』が入っている」とレア盤であることを明かし、続いての話へ進もうとしたところであえなく時間切れとなり、最後は「3年B組! レコード先生!!」の大合唱でトークイベントは終了した。(取材・文=中村拓海/店名=タワーレコード新宿店)