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レッドブルが主張「F1には独立したエンジンが必要だ」

2015年11月06日 12:51  AUTOSPORT web

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独自路線を歩み、F1そのものの改革を求めるレッドブル
レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、F1には独立したパワーユニット「インディペンデント・エンジン」を製造するメーカーが必要だと主張している。

 レッドブルとトロロッソの両チームは現在2016年シーズンのパワーユニットが未定の状態。まずレッドブルはメルセデス、フェラーリとの契約に失敗。ホンダは供給を「熱望している」とホーナーは言うものの、マクラーレングループのCEOロン・デニスに阻止されており、選択肢はきわめて限られたものとなっている。

 FIAの計画では「インディペンデント・エンジン」の導入は2017年となっており、この案がレッドブルを救済するには1年遅い。とはいえチーム代表のホーナーは、計画を歓迎すると言う。

 ホーナーは「これは重要なことだ。金額についてはもちろん、パワーユニットのサプライヤーに供給を強制するようなレギュレーションがないことを、私たちが明確に体現している。インディペンデント・エンジンは、F1の未来と私たちの抱える問題を解決するアイデアだ。エンジンが得られなければレースはできないのだから、競争力があって経済的なエンジンの存在は重要だ。現在あるものがそうでないならば、別のエンジンが必要なんだ。ジャン・トッド(FIA会長)は現状をとても真摯に受け止めており、彼の計画について非常に明確に話してくれた」」と述べている。

 次回のストラテジーグループミーティングではトッドとF1最高権威者のバーニー・エクレストンが、インディペンデント・エンジンの見通し案を通過させるための投票に参加する予定だ。

 ホーナーは、エンジン供給の価格を年間1200万ユーロ(約16億円)から1400万ユーロ(約19億円)とするコスト削減案には、他チームが正しい判断力を持っていれば同意すると信じている。

「意欲があり、経済的に困窮したチームの数が十分にあるのなら、コスト削減案が通ると確信している。パワーユニットとシャシーにかける予算を2000万ユーロ(約26億円)削減できるなら悩むことはない」と、ホーナーは付け加えた。

 大多数のカスタマーチームが2017年以降もパワーユニット供給契約を結んでいることについては「現在の価格が続けば、2017年には彼らはF1から撤退しているかもしれない。彼らは金額やコストについて、ずっと不満を漏らしている。大きなコスト削減をもたらす案に賛成しないというならば、それは驚きだ」と答えた。

 ホーナーは予算の制限されるインディペンデント・エンジンは、現在のパワーユニットと戦えるだけの競争力を備えるべきだと考えている。

「ジャン(トッド)は、ふたつの問題を抱えている。ひとつは供給コストで、ふたつめは供給への意欲だ。現在はメーカーに供給を強制するレギュレーションがないため、代替案が必要だ。しかし代替案にも競争力がなくてはならない」

 またホーナーは、レッドブルが1年間の参戦休止を経て、2017年にインディペンデント・エンジンで復帰する可能性については「きわめて少ない」と言う。

 現在の報道では、レッドブルはルノー製パワーユニットをノーブランドで使用、トロロッソはフェラーリから供給を受けるというのが有力な説となっている。