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坂口健太郎、千葉雄大、柳俊太郎……いま活躍しているファッションモデル出身の若手俳優5人

2015年11月06日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『コウノドリ』公式サイトより

 現在、映画やドラマで活躍している人気俳優の中には、ファッションモデル出身者が少なくない。今季のドラマで言うと、『下町ロケット』の阿部寛、『相棒season14』の反町隆史が挙げられるほか、有名どころでは竹野内豊や大沢たかおも過去にファッションモデルとして活動していた経歴がある。彼らの恵まれたルックスによる存在感は、多くの作品にとって大きな魅力のひとつとなっていることは、もはや疑うべきもないだろう。モデル出身者が演者としてキャリアを積めば、主役級の俳優として活躍することが可能なのだ。そこで今回は、今後の映画・ドラマシーンを牽引する存在になりうる、モデル出身の若手俳優を紹介していきたい。


参考:松坂桃李、ブレイクの理由は“正統派ヒーロー感”『サイレーン』に見る俳優としての強み


■塩顔男子の先駆け 坂口健太郎


 現在、TBSテレビ『コウノドリ』に新生児科の医師役として出演中の坂口健太郎は、ファッション誌『MEN’SNON-NO』のモデルとして活動しながら、2014年に映画『シャンティデイズ365日、幸せな呼吸』で俳優デビュー。『娚の一生』、『海街diary』、『俺物語!!』など、2015年だけで映画6本と民放の連続ドラマに出演しており、若手の中でも異例の早さでキャリアを積んでいる。「塩顔男子」の代表格として注目を集めたのちは、その穏やかで落ち着いたイメージを活かした役柄を次々とものにして、多くの視聴者を魅了してきた。2016年1月には、竹内結子と橋本愛が共演する、中村義洋監督のホラー映画『残穢-住んではいけない部屋-』への出演が決定。本作では、いままでのソフトな好青年というイメージとは違う、新たな一面が見られるかもしれない。


■とにかく可愛らしい 千葉雄大


 サロンの人気スタッフや魅力的な読者モデルを輩出してきた雑誌『CHOKICHOKI』に、彗星のごとく登場し、瞬く間に雑誌を代表するモデルとなった千葉雄大。2010年に『天装戦隊ゴセイジャー』のゴセイレッド役でデビュー後、映画やドラマへの出演数を増やしながら、バラエティ番組『バイキング』にレギュラー出演するなど、多方面でキャリアを積んでいる。今季ドラマでは、40代女性の恋愛事情やライフスタイルにスポットをあてたフジテレビ『オトナ女子』に出演。いままでの配役よりは年齢が高い、沢田健太という28歳の中学教師役に抜擢されたものの、生徒の母親と恋に落ちるという設定は、多くの女性の母性本能をくすぐって止まないだろう。その可愛らしさからクリーミー系とも呼ばれる千葉雄大にとって、本領発揮といったところではないだろうか。


■ネクスト個性派俳優 柳俊太郎


 切れ長の目やホリの深い顔立ち、一度見ると記憶に残るミステリアスなビジュアルを持つ柳俊太郎。前述した坂口健太郎と同じく『MEN'SNON-NO』出身だが、俳優デビューは2012年と坂口よりも早い。まだ代表作と言われるような作品への出演はないが、彼独自の雰囲気にあったキャラクターに巡りあえば、個性的な俳優として若手の中から頭ひとつ抜け出すポテンシャルを備えているように思う。日本テレビ『いつかティファニーで朝食を』に出演中。


■ティーンズからの支持も厚い 山崎賢人


 山崎賢人といえば、平均視聴率が11.5%と話題になった『デスノート』(2015)で、主人公と対峙する探偵のL役を熱演していたことが印象に残っている。NHKの連続テレビ小説『まれ』(2015)では、一役で高校生から30代の父親までを演じるなど、難しい役どころをこなしていた。その一方、ティーンエイジャーからも厚い支持を受けており、『ヒロイン失格』(2015)、『orange』(2015)、『四月は君の嘘』(2016)、『オオカミ少女と黒王子』(2016)などの映画作品で、連続して男子高校生役に抜擢されている。現在21歳の山崎は、リアルな高校生と年齢が近い分、ほかの俳優よりも共感を生みやすいのではないだろうか。こんな先輩がいたらいいなという、夢を見させてくれるところが、ティーンを夢中にさせる一因なのかもしれない。


■アクションもこなす万能タイプ 松坂桃李


 フジテレビ系『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』では、謎の美女に翻弄されながらも、次々に起こる猟奇殺人の真相を暴こうと奮闘する刑事役を演じている。もともとは、ファッション雑誌『FINEBOYS』のモデルとして芸能活動を開始。その後、2009年に『侍戦隊シンケンジャー』で俳優デビューし、これまで正統派としてキャリアを積んできた。先に紹介している千葉雄大とは、役者としてほぼ同期に当たるのだが、千葉が『SUMMERNUDE』(2013)や『きょうは会社休みます』(2014)などの恋愛ドラマへの出演が多いのに対し、松坂は『ダンダリン労働基準監督官』(2013)や『軍師官兵衛』(2014)など、どちらかというと堅めな作品が多い。同じ戦隊ヒーローものからスタートしながらも、その後のキャリアに違いが生じたのは、実直そうなビジュアルはもちろん、激しいスタントも難なくこなせる身体能力の高さが、説得力が求められる配役に適していたからかもしれない。今回の『サイレーン』のストーリーにしても、恋愛にスポットをあてながらも、サスペンスやアクションが含まれているからこそ、松坂桃李のキャラクターにハマっているのだろう。


 流行を牽引するファッション誌からキャリアをスタートしたモデル俳優には、少なからずその時代に求められる理想の男性像が反映されている。今回、紹介した俳優たちは、冒頭で挙げたベテランたちと比較すると、どこか中性的で柔らかな印象を抱かせるタイプが多い。働く女性が増加した昨今、男性に対しても癒しや優しさを求める傾向があるのかもしれない。そんな彼らが俳優としてさらにキャリアを積んだとき、ドラマや映画業界にどんな影響を与えていくのか。その過程に注目すると、また違った視点で作品を楽しむことができるのではないだろうか。(泉夏音)