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TOKIO、関ジャニ∞、Hey! Say! JUMP……バンド演奏のあるジャニーズグループの実力を探る

2015年11月05日 11:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 昨今、楽器を使ったライブパフォーマンスを披露することが珍しくないジャニーズグループたち。TOKIOをはじめ、関ジャニ∞やHey! Say! JUMPもコンサートなどで度々バンド演奏を披露し、人気を博している。今回は、そんな彼らのライブパフォーマンスにおける魅力と実力を、演奏技術や特徴を中心に考えてみたいと思う。


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■TOKIO


 ジャニーズバンドの代名詞的存在と言えば、TOKIOだろう。すでに20年以上バンドとして活動している彼らの腕前は相当なものだ。現に、ミュージシャンの曽我部恵一がTOKIOの楽曲プロデュースをした際、「(TOKIOは)タレントというよりもミュージシャン」という発言をしているほどだ。


 グループ全体としてのクオリティもさることながら、メンバー個人の演奏技術も注目を集めている。城島茂のギターの腕前については、ジャニーズの先輩でもあるギタリストの野村義男も「リフを作るのが上手い」と賞賛。ボーカルの長瀬智也は、歌い方こそジャニーズの系譜を受け継いでいるものの、声量と魅せ方はロックバンドのフロントマンとして充分に勝負できる。キーボードの国分太一は、オルガンやピアノなど鍵盤は何でもこなせる腕前で、2012年のライブツアー『TOKIO LIVE TOUR 1718』ではオーケストラをバックにピアノソロを披露。ドラムの松岡昌宏はドラマー・そうる透の弟子というだけあって、繊細なリズムの刻みもパワフルな刻みも叩きこなしてバンドを支えているし、ベースの山口達也も練習嫌いと噂されるものの、4弦よりも難しいとされる5弦ベースを弾きこなしている。


 こうした個人の技量が集結されたことで、TOKIOは安定した演奏ができているのだろう。アイドルグループの枠を超えた彼らのパフォーマンスが、音楽ファンの心を掴み、老若男女から人気のグループであるということは納得である。


■関ジャニ∞


 コンサートでは、毎回バンド演奏を披露している関ジャニ∞。また、2015年5月から音楽バラエティ番組『関ジャム完全燃SHOW』(テレビ朝日系)がスタートし、数々の有名アーティストたちとのセッションを実現している。ファンの間でも、彼らの演奏技術が目に見えて上達していると、もっぱらの噂だ。中でもリードギターを務める安田章大のギタースキルは、一部でTOKIOの城島にも並ぶと言われている。ロックバンド・ROCK'A'TRENCH(現在活動休止中)の山森大輔も自身のブログ内で「彼はマジでかなりギターが上手いです」とコメントをしているほどだ。


 また、ドラムの大倉忠義にも注目したい。大倉は関ジャニ∞に入るためにドラムを始めたにも関わらず、今やそのスキルは相当なものとなっている。『LIVE MONSTER』(日本テレビ系)に出演した際には、DREAMS COME TRUEの中村正人が「大倉くんは本当に上手なドラムだと思う。いつかドリカムのドラムに……」と大倉を高く評価した。


 楽器隊のきらりと光る演奏に、カリスマ性を発揮する渋谷すばるのボーカルが乗り、思わず病みつきになるバンドサウンドを楽しめるのが、関ジャニ∞の魅力であろう。


■Hey! Say! JUMP


 関ジャニ∞と同じく、コンサートでバンドによるパフォーマンスを披露しているHey! Say! JUMP。2009年前後からバンドを始め、2011年に発売したシングル「Magic Power」のMVでは演奏シーンを披露した。とはいえ、キャリアが浅いだけにまだ成長中である感は否めない。しかし、その中でも演奏スキルが光るメンバーがいる。例えば、ドラムの中島裕翔だ。現在22歳の中島は、中学2年からドラムを始め、独学にも関わらず、その腕前はかなりのもの。コンサートでドラムのソロプレイを披露したり、アルバム『smart』では「ゆーと叩いてみた」というドラムソロ曲が収録されていたりと、実力を余すところなく発揮している。


 また、岡本圭人のギターにも注目である。ギターの演奏に定評がある元男闘呼組・岡本健一を父親に持つ彼は、父親から直接ギター指導を受けており、バンドのクオリティ向上に一役買っている存在なのだ。他にも、八乙女光には10年以上のベース歴があり、伊野尾慧も6年間ピアノを習っていたという。努力を欠かさないメンバーが集っているHey! Say! JUMP。彼らがバンドとして成長していく過程を見ることができるのも、グループを応援する上での楽しみのひとつになっているのではないだろうか。


 歌、ダンス、演技、パフォーマンス、楽器……と、何でもこなせる彼らは、“さすが天下のジャニーズ”といったところだ。ジャニーズメンバーたちが、彼らの個性を表現する術のひとつとして“バンド”を選択することは、今後当たり前になってくるかもしれない。また新しいジャニーズの楽しみ方が増えそうだ。(高橋梓)