レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーが、「ホンダはレッドブルにF1エンジンを提供したがっているが、マクラーレン総帥のロン・デニスによって、それが阻止されている」と語った。
バーニー・エクレストンはアメリカGPの週末、ホンダがレッドブルにエンジンを供給することを、デニスが望んでいない旨を明かした。これは、今年F1にエンジンを供給している他のふたつの会社(フェラーリとメルセデス)に続き、ホンダもレッドブルに対するエンジン供給に関する拒否権を行使したことになる。レッドブルは、今シーズン末でルノーとの契約を終了させると言われおり、その後もしホンダエンジンを獲得するならば、ホンダとマクラーレンの同意がなければならない。
ホーナーは「私はロン・デニス以外の、マクラーレンの誰とも話をしていない。彼の意見は分かりやすく、そして明白だった。ホンダは実に熱心だが、残念なことに、彼らとの間にはマクラーレンがいるため、我々にできることは何もない。彼らがどうしたいか、決めるのは彼ら(ホンダ)だよ」と語った。
デニスが拒否権を持っている一方、ホンダとエクレストンは、FIAおよびFOMとの間に、参入の条件として1年目は1チームのみへの供給が許されたものの、2年目は2チームに、そして3年目は3チームにエンジンを供給しなければならないという合意をし、署名をしている。もちろん、チームからの求めがあればという話だが。
これについてホーナーは「その話し合いは、彼らの間で行われているんだろ? 私には分からない。彼らに訊いてみてくれ」と言う。「我々はこの件に干渉するつもりはない。バーニー(エクレストン)とジャン・トッド(FIA会長)は彼らの立場を明白にしてくれた。この問題については、彼らを信頼している」。
最近、カスタマーユーザーに対するエンジン価格の上限を1200万ユーロ(約16億円)に設定する動きがあったが、これはフェラーリが拒否権を行使している。ホーナーはデニスと会談を行った際、ホンダエンジンを使えるなら、レッドブルはより巨額の費用を支払うことを提案したと言われている。
「その話し合いの内容を明かすつもりはないよ。しかし、トッドが目指している内容とは、大きく異なるものだったね」とホーナーは語った。
ルノーとの関係を解消しようとしているホーナーに対し、その会合の際にいくつかの選択肢が提示されたという。
「多くのオプションはないけどね。他にも、何かあるかもしれない。考えてみよう」
2016年のF1開幕戦まで、あと5ヵ月を切った。マシンを開発する時間は、刻一刻と少なくなっている。そして、パワーユニットを決定することは、現在のF1マシンを開発する上で実に重要な要素。レッドブルの2016年パワーユニットの決定は、いつになるのだろうか?