新生エルマノス・ロドリゲスで行われたF1メキシコGPの予選は、メルセデスAMGのニコ・ロズベルグが4戦連続となる今季5回目のポールポジションを獲得しました。
母国ドライバー、セルジオ・ペレスの活躍で盛り上がる23年ぶりのメキシコGP。連日多くのファンが詰め掛けるスタンドは、ペレスの応援一色と言ってもいいくらい彼への大歓声がなりやまず、新装オープンのサーキットとはいえ、その雰囲気は古き良き時代のグランプリを思い出させます。
さて、そんな中で行われた注目の予選はまたしてもロズベルグが制し、これでほぼ1ヶ月にわたってポールシッターの座を保持する結果となりました。特に最後のQ3ではファーストアタックから力強い走りを披露し、ポール争いを決した連続2周目のラップでは3つのセクターのすべてでハミルトンを上回るタイムを記録、自身通算20回目のポールポジションを手にしました。
しかし、ロズベルグにとってはここからが本当の勝負。鈴鹿、そして前回のオースティンと2度も“押し出された”スタート直後の1コーナーで今度こそハミルトンを封じ、自らのミスで失った勝利を取り戻すことでセバスチャン・ベッテルとの選手権2位争いに勝たなければなりません。両タイトルが決した今、ロズベルグがミニ選手権と位置づける残り3戦を制することは来シーズンの挽回に留まらず、今後のF1キャリアにとっても重要な戦いになると言えるでしょう。
スタートグリッドから1コーナーへはソチのように非常に長いストレートが待ち構えており、スリップストリームを使ったオーバーテイクも有効となります。ロズベルグはこれを封じ、さらにクリーンな1コーナーのハードブレーキングで接触することなくの後続を抑え、レースの主導権を握らなければならないのです。
日曜午後2時(現地時間/日本時間2日4時)から71周で争われる決勝レースは、路面の摩耗率が低いため1ストップも可能ですが理論的には2ストップが最速と、ピレリが明らかにしています。懸念される天候も最新の情報ではにわか雨または雷雨の予報があり、降水確率も60パーセント。サーキットも全体的にエスケープゾーンが狭く、セーフティカーの出動の可能性も高いことから荒れた展開になることも十分に考えられます。
まさにロズベルグにとってはチャレンジングかつ重要な一戦。注目の1コーナーを制し、見事ポール・トゥ・ウインを飾ることができるか、大いに注目したいところです。
なお、今回の予選では、カレンダー屈指の高速サーキットとして知られるモンツァの予選最高速、354.6km/h(セルジオ・ペレス/フォース・インディア)を上回る364.3km/hをウイリアムズのフェリペ・マッサが記録。トップ10でもザウバーの2台を除く8台がメルセデスのパワーユニットを搭載するマシンと、相変わらずメルセデス製PUの速さが際立っています。
ちなみにフェラーリ勢のトップはザウバーを駆るフェリペ・ナッセの358.2km/hで全体の3番手、ルノー製はトロロッソのマックス・フェルスタッペンが記録した350.9km/hで全体の13番手、フェルナンド・アロンソのみの出走となったホンダ勢は345.9km/hで全体の16番手となっています。
(F1速報)