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TOKIO、CDデビュー21年の現在地 若さと勢いを越えた50thシングルを紐解く

2015年11月01日 14:51  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 10月28日に発売された、TOKIOのニューシングル『東京ドライブ』が爽快だ。デビューシングルから数えて50枚目となる記念すべきシングルは、長瀬智也による作詞・作曲。TOKIOらしさが全開の男らしいバンド曲になっている。ジャケットやMVにも遊び心がいっぱいの昭和テイストが楽しい。


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 国分太一がMCを務めている『白熱ライブ ビビット』(TBS系)にメンバー全員で出演した際には、畑仕事で多くの人に出会ったことを長瀬が語ると、「こんなに畑仕事について熱く語るミュージシャンはいない」と松岡昌宏がツッコむ一コマも。さらに、城島茂が「こうなったら目指すは(今後20年で)3桁」という目標を立て、長瀬が城島の年齢を心配して爆笑を誘うなど、TOKIO節が炸裂した。


 また、同番組内では、国分が作詞作曲を手がけたカップリング曲「I believe」についてもふれられ、国分いわく「デビューから21年を振り返って、メンバーのことを書きたかった」と、制作の背景を明かした。


 グループの平均年齢が40歳を超え、ちょうど折り返し地点に立っている彼ら。そんなTOKIOのキャリアを築いたメインステージともいえる番組『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)も、11月に20周年を迎える。


 それを記念して、11月8日に『阪神電車ジェットカーvsTOKIO』のリレー対決を行なうことが発表された。この対決は17年前、平均年齢20代前半のときに初めて行なわれたことのある、ファンにとっては懐かしの企画。勝敗は1勝1敗ということで、松岡が「決着をつけよう」と提案したことが始まりらしい。


 自分たちで種をまいた企画が、こうして年月を経て新たな企画となって実る。これも、長期的に活躍しているTOKIOならではの楽しませ方だ。ネット上では「もっと昔の企画をやってほしい」という声も上がっており、さらなる懐かし企画の復活も期待できるのではないだろうか。


 泥臭い仕事も楽しくこなし、楽器を持てば哀愁を感じるサウンドを奏で、その一つひとつの行動で多くの人の心を揺さぶるTOKIO。老若男女を問わずに好かれる理由は、“子供心を忘れない”“いつも目の前のことに一生懸命”“仲間に好かれる”という誰もがなりたい大人の男像を実現しているからかもしれない。


 そんな大人の男たちが実績を築き上げ、さらに心に余裕を持った状態で、遊び心あふれる仕事をしていくのが、今後のTOKIOのフェーズなのではないだろうか。それは、若い人にとっては「あんな風に年をとりたい」という夢を抱かせ、年配者には「私たちにも何かできるのではないか」という勇気を与える存在になるはずだ。


 まずは、11月8日オンエアの対決が、どのような結果になるのか。若さと勢いを越えた、ミドルならではの魅力を満喫する回になるだろう。(佐藤結衣)