「ダメ男」―――。それはたとえば、働かずに朝からパチンコをやりまくっているギャンブルマン、オンナに生活の面倒まで見させるヒモ。いい年こいて母親が絶対のマザコンなど、年齢なりの社会性・精神性を持たない男らの総称である。
自分に甘くて幼稚。悪いイメージばかりのダメ男だが、マツコ・デラックスは彼らについて「可愛げがある」と優しい目線で考察していた。(文:みゆくらけん)
「しょうがないか」と危険な発言繰り返す夏目
番組は10月28日の「マツコ&有吉の怒り新党」(テレビ朝日系)。トークは「ダメ男」をテーマに進んだ。年を重ねるごとに男性に寛容になっているという夏目三久は、昔は仕事のできないADにイラついていたが、今では温かい目で見られるようになったという。
さらにダメ男について「しょうがないか、になりますよね」「私がいなきゃダメ」などと危険な香りがプンプンするワードを吐き、マツコに思わず「ダメよ、そっから(ダメ男の)ADと恋に落ちたりしたら!」と注意されていた。まさか。
夏目がダメ男好きかはともかく、マツコが「一定の需要がある」というように、いつの時代にもダメ男にハマる女がチラホラいる。倉田真由美の「だめんず・うぉ~か~」や峰なゆかの「アラサーちゃん」(ともに扶桑社)など、ダメ男が登場しまくる漫画もヒットしている。
女子会に耳を澄ませば、自分の彼氏がいかにダメ男かという話題で盛りがっているグループも多い。しかしマツコは、ダメ男好き女にありがちな「勘違い」についてこう注意を呼びかけた。
「私がどうにかしてあげられるかも、とかは……無理よ!」
モテるダメ男は「イケメン限定」というわけではない
マツコいわく、女性が自分のチカラで「好青年にしちゃおう」とか「私がケツを叩いて働かせよう」などという野望を持ったところで、ダメ男には効力がないのだとか。確かに性根が依存体質の彼らに、やる気と自立心を奮い立たせるのは死ぬほど難しそうだ。
それでも女性らがダメ男にハマるのはなぜなのか。マツコは、モテるダメ男は何もイケメン限定というわけではないと話す。
やはり夏目が言うように「私がいなきゃダメ」と思ってしまう女性特有の「母性」なのか。それとも母性に見せかけた「支配欲」か。ダメ男とズルズルいきがちな女性に注意喚起したマツコだが、一方でこんな風にダメ男を考察した。
「ダメ男になっちゃう人って、自分の売りみたいなものを一個も見つけられなかったんだよ。それはちょっと可愛げがあるんだよね、ヤサグレてる感じとかは」
マツコならではの、優しい視点である。
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