スーパーGT第7戦は31日、大分県のオートポリスでノックアウト形式の公式予選が行われ、スーパーGT300クラスはシンティアム・アップル・ロータスが1000分の1秒差でポールポジションを獲得。加藤寛規がチームに今季2度目のポールポジションをもたらすとともに、自身通算12回目のGT300クラスポールポジションを獲得した。
朝から青空が広がっているオートポリス。気温12度、路面温度25度のコンディションのなか、13時30分よりGT300クラスの予選Q1が開始された。
各車がウォームアップを終えると、まずは谷川達也操るVivaC 86 MCが1分45秒168でこれまでのコースレコードを更新。すると直後に中山雄一のTOYOTA PRIUS apr GTが谷川を上回る1分43秒417でトップに浮上した。その後も山内英輝のSUBARU BRZ R&D SPORTや高橋一穂のシンティアム・アップル・ロータスなどJAF-GTマシンが続々とコースレコードを更新し、上位を占めていく。
その後はFIA-GT3マシンも含め次々とレコードタイムを更新。トップから13番手までがレコードタイムを上回る高速バトルが展開された。しかし、PRIUSの記録したタイムを上回るマシンは現れず、そのままチェッカー。2番手にBRZ、3番手にロータス、4番手にマッハ車検 with いらこん 86c-west、5番手にはFIA-GT3勢最上位のB-MAX NDDP GT-Rがつけている。
一方で、今大会でのチャンピオン獲得に期待がかかるGAINER TANAX GT-Rは、千代勝正がQ1でアタックを担当するもQ2進出まであとひとつの14番手と苦戦。最後のアタックでも13番手タイムにわずかに届かず、無念のQ1敗退となっている。また、午前の公式練習で5番手タイムだったUPGARAGE BANDOH 86はトラブルか、ピットからマシンを出すことができず、一度もアタックを行えないままQ1でノックアウトとなっている。
GT500クラスの予選Q1などを経て、GT300クラスのポールポジションを決める12分間の予選Q2がスタートした。ここでは土屋武士が操るVivaC 86以外はセッション開始後、続々とコースインし入念にタイヤを暖めていく。土屋は1度のアタックに賭けたのかセッション残り8分というタイミングでコースインしていった。
1度目のアタックでは、片岡龍也のグッドスマイル初音ミクSLSが1分44秒459でトップタイム。2番手にクリスタルクロコ・ランボルギーニGT3、3番手にStudie BMW Z4と続いていく。Q1で速さをみせたJAF-GT勢はここでアタックは行わず、ウォームアップにもう1周時間をかけていく。
そして、JAF勢がウォームアップを終えた2回目のアタックで、加藤寛規がドライブするロータスが1分42秒台目前の1分43秒001でしトップへ浮上。その背後から、ここまで好調のPRIUSの嵯峨宏紀がフィニッシュラインを通過するも、加藤にわずか0.001秒届かず2番手に終わる。
その後、コースインのタイミングを遅らせた土屋がアタックするも、ウエイトが厳しいのか6番手までしかポジションを上げることができず、ロータスが今季2度目のポールポジションを獲得した。GT300クラスで通算12回目のポールポジションを獲得した加藤は「高橋(一穂)さんが頑張ってくれたので、ネジを巻き直して頑張りました」とコメントした。
2番手には0.001秒差でPRIUSが続き、3番手にARTA CR-Z GT、4番手にBRZ、5番手に初音ミクSLSが続いている。
事前に言われていたように、JAF-GTマシンであるマザーシャシーがコースとの相性の良さをみせる形となったGT300クラスの予選。しかし、ハイブリッドのアドバンテージがあるPRIUS、CR-Zが2番手、3番手に続いているほか、JAF-GTの牙城を切り崩すような形で初音ミクSLSが予選5番手につけており、決勝レースはスタートから激しいバトル展開されそうだ。また、ポイントリーダーのGAINER GT-RがQ2で敗退し、ランキング2番手のPRIUSがフロントロウとなっていることもあり、今大会でのチャンピオン獲得に暗雲が立ち込めてきた。
明日、11月1日は9時より30分間のフリー走行が行われたのち、14時から65周で決勝レースが行われる。