スーパーGT第7戦は31日、大分県のオートポリスで公式練習が行われ、GT300クラスはTOYOTA PRIUS apr GTがトップタイムをマークした。
シーズン残り2戦で迎えたスーパーGT第7戦オートポリス。昨年は第3戦として6月に開催されたが、今季は2013年シーズンまでと同様、シリーズ終盤戦としての開催となっている。公式練習は気温8度、路面温度13度というコンディションで定刻の9時にスタートした。
セッション開始と同時に各車続々とコースインしていくが、10月上旬に行われた公式テストと路面温度に大きな差があることもあり、どのチームも入念にウォームアップを行っていく。しかしセッション開始から4分後、第1ヘアピン手前の4コーナーでスーパーGT500クラスのEpson NSX CONCEPT-GTがバランスを崩してスピン。リヤからコース脇のスポンジバリアに衝突してしまったため、マシン回収のために赤旗が掲示された。この時点ではグリーンテックSLS AMG GTが1分51秒919、グッドスマイル初音ミクSLSが1分53秒114、RUNUP Group&DOES GT-Rが1分53秒114といったタイムを刻んでいるものの、本格的なタイムアタックには至っていない。
赤旗掲示から約10分後にマシンの回収は完了。安全確保のため、スポンジバリアの交換も実施され、9時23分にセッションは再開。GT300クラスはB-MAX NDDP GT-Rを先頭にコースインしていった。
セッション開始から約30分後時点のトップタイムはシンティアム・アップル・ロータスの1分45秒022。0.305秒差の2番手にLEON SLSが続いているほか、3番手にGAINER TANAX GT-R、4番手にB-MAX NDDP GT-RとFIA-GT3マシンが続いたが、直後にTOYOTA PRIUS apr GTが1分43秒699、UPGARAGE BANDOH 86が1分44秒634と、相次いでロータスのタイムを更新。タイムシート上位をJAF-GT勢が占め、テクニカルサーキットとの相性の良さをみせた。
その直後、前戦SUGOでマザーシャシーに初勝利をもたらした土屋武士のVivaC 86 MCが、1コーナーのブレーキングポイントで体勢を崩し、グラベルでストップ。しかし、マシンに大きなダメージはないようで、マーシャルの助けを借り、コース復帰を果たしている。また、SYNTIUM LMcorsa RC F GT3がバックストレートエンドの右コーナーでコースオフしたものの、こちらもすぐにコースへ戻っている。
その後は大きなアクシデントなどもなく、トップタイムのPRIUSやUPGARAGE 86などは20周以上の周回を重ね、そのほか多くのチームも10周以上の走行を実施。午後の予選に向けたセッテイング熟成に注力していった。
GT300の専有走行まで残りわずかというタイミングでロータスやARTA CR-Z GT、SUBARU BRZ R&D SPORTが続々と自己ベストを更新し、ポジションアップしたものの、セッション中盤にPRIUSが記録したタイムを上回ることはできず、GT300クラス専有走行の時間を迎える。
この10分間の専有走行でも、PRIUSのタイムを更新するマシンは現れず、またLEON SLSが1分45秒172で7番手に浮上したほかは、大きく順位を上げるマシンもなく、午前の走行が終了した。
公式練習のGT300クラストップタイムはPRIUSの1分43秒699、2番手に1分43秒776でロータス、3番手に1分44秒221でCR-Zが続いたほか、4番手にBRZ、5番手にUPGARAGE 86と上位5台をJAF-GTマシンが席巻。FIA-GT3勢最上位はトップと約2.5秒差の1分45秒115を記録したB-MAX GT-Rとなっている。また、今大会でドライバー、チーム両タイトルを獲得する可能性のあるGAINER GT-Rは1分45秒541で10番手となっている。
前戦と同様テクニカルサーキットで、例年JAF-GTマシンが速さをみせるオートポリス。今回の公式練習もJAF-GT勢が席巻する形となった。またチャンピオンシップを争うPRIUSがトップタイムをマークし、GAINER GT-Rがやや後方となったことで、チャンピオンシップ争いの行方も分からなくなってきたと言えそうだ。
また、公式練習後に行われたサーキットサファリで、高橋一穂のロータスが最終セクターでスピンし赤旗が掲示される珍しい場面も。セッションはその後、フリー走行に切り替えられ峰尾恭輔のケーズフロンティア Direction 458がトップタイムを記録している。
スーパーGT第7戦オートポリスの公式予選は13時30分よりスタートする。