ニッサン/ニスモは30日、同社のグローバルモータースポーツ部門を率いてきたダレン・コックスが退職したと発表した。
コックスはこれまで13年間、ニッサンのグローバルモータースポーツ・ディレクター兼マーケティング部門代表として13年間活躍。グランツーリスモを用いたドライバーの発掘/育成プログラムである『ニッサンGTアカデミー』を立ち上げたほか、デルタウイングやZEOD RCでのル・マン24時間参戦を指揮。また、GT-R LMニスモでのWEC世界耐久選手権LMP1クラス参戦も主導していた。
コックスは今回の発表にあたって「ニッサンを去るという決断を下すのは容易なことではなかった」とコメントしている。
「素晴らしいプロジェクト、そして素晴らしい人たちとともに働き、素晴らしい年月を送ってきた。チャレンジ、そして成功と同じくらいの失敗を生きがいとしてきた。ヨーロッパでの小さな取り組みだったGTアカデミーが、現在世界の人口の半分を抱える国々で受け入れられるまで成長する様も見ることができた」
コックスは退職の決断を自ら下したものの、その背景にはLMP1プログラムの中心的役割から外れたことが要因としてあるのではないかと見られている。
ニッサンは今年、FFレイアウトのGT-R LMニスモを開発し、WECへのフル参戦を発表していた。ただ、結果的にはル・マン24時間に3台体制で参戦したのみで、その他の7戦は欠場することに。10月はじめには、16年からシリーズへの参戦を再開すると発表し、チーム代表もベン・ボウルビーからマイク・カルカモに変更となっていた。この動きに伴い、コックスもプログラムの主流からは外れるような形となっていたという。
コックスは今後、マーケティングコンサルタントとしての道を模索していくのではないかと見られている。なお、コックスの退職によるニスモ内での後任については、追って発表されるということだ。