2015年10月29日 17:41 弁護士ドットコム
最高裁大法廷が11月4日に「夫婦別姓」をめぐる訴訟の弁論を開くことを受け、「名前を変えずに結婚したい!」としてネット署名を呼びかけた女性5人が10月29日、最高裁に約2万人の署名を届けた。
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訴訟では「結婚する夫婦は、姓をどちらかのものに統一しないといけない」という民法のルールが、憲法に反するかどうかが問題となっている。もし最高裁が「夫婦同姓制度は違憲」と判断すれば、国会で民法が改正されて、夫婦別姓が認められるようになる可能性が高い。
署名を呼びかけたメンバーたちは、夫婦別姓を希望する場合にそれを選ぶことができる「選択的夫婦別姓」の実現を求めている。そうなれば、夫婦どちらも、結婚前と同じ名前を使い続けることができるからだ。
署名活動は、ジェンダー問題を考えるワークショップで今年5月に知り合った20~40代の女性が中心となって、「最高裁の裁判官に、困っている人たちの生の声を届けたい」と実施した。裁判のことをニュースで知り、自分たちも何かできないかと考えて、ネットの署名サイト「change.org」でキャンペーンを始めたのだという。
メンバーはフェイスブックなどのSNSを中心に署名を呼びかけ、今年6月から10月27日までの期間に、2万480人の賛同を得た。そのうち2000人以上が賛同する理由などを「コメント」として付けており、それも合わせて最高裁に届けたという。
コメントを見ていくと、「姓を残したい」「名前に愛着がある」といった声もあれば、「姓が変わると働きにくい」「結婚・再婚・出産のハードルになっている」といった声もあり、署名に賛同する理由は人によってさまざまなようだ。「家制度からの決別」や「男女平等」を強調する意見のほか、男性の立場から賛同する声も多く寄せられたという。
呼びかけ人代表の小路雅代さん(43)は、「民法改正のために、まず最高裁に違憲判決を出してもらいたい」と話していた。
(弁護士ドットコムニュース)