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来季スーパーフォーミュラへタイヤを供給する横浜ゴム野地社長「SFで一層の技術向上を目指す」

2015年10月29日 14:50  AUTOSPORT web

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東京モーターショー2015でスーパーフォーミュラへのタイヤ供給を発表した横浜ゴム野地彦旬社長とJRP中嶋悟会長
横浜ゴムは29日、2016年からの全日本スーパーフォーミュラ選手権にアドバンタイヤを供給することを発表した。東京モーターショー2015の中で行われた記者発表会では、横浜ゴムの野地彦旬社長が供給への意義を語るとともに、シリーズを運営する日本レースプロモーション(JRP)の中嶋悟会長も来季への期待感を語った。

 現在も世界ツーリングカー選手権(WTCC)やマカオグランプリ、スーパーGT、全日本F3選手権など、幅広いカテゴリーにタイヤ供給を行なっているヨコハマ。国内トップフォーミュラでは、かつて全日本F2選手権~全日本F3000選手権でブリヂストンやダンロップとともに熾烈な“タイヤ戦争”を展開し、1996年のフォーミュラ・ニッポン誕生時にもタイヤサプライヤーとしてシリーズに参戦していたが、翌年からのタイヤワンメイク化に伴って供給を終了していた。

 そして今回、16年からスーパーフォーミュラにタイヤ供給を行うことを発表し、同社としては約20年ぶりに国内トップフォーミュラへと復帰することになった。東京モーターショーの中で行われた記者発表では、野地社長が、まずはバークレイズ・プレミアリーグ『チェルシーFC』と今年7月からパートナーシップ契約を結んだことを改めて報告。この記念として、タイヤサイドにチェルシーのロゴを刻印した記念タイヤを発売することを発表した。

 続いて野地社長は「もうひとつ、私たちの本業はタイヤメーカーでございます」と切り出し、「中でもモータースポーツは、極限での技術を向上させる重要な活動のひとつ。2016年より、全日本スーパーフォーミュラ選手権のタイヤサプライヤーとしてアドバンをワンメイク供給することになりました」と、以前より噂されていた来季からのタイヤ供給を宣言した。

 それと同時に、ブース中央に置かれていた車両のベールが取り除かれ、アドバンカラーをまとったSF14が出現。集まった報道陣は一斉にシャッターを切った。さらに野地社長はスーパーフォーミュラへのタイヤ供給の意義、そしてモータースポーツ全体の盛り上がりについて、次のように語った。


「スーパーフォーミュラのタイヤの性能要求は非常に高い。このタイヤの開発、供給をすることは、走りの性能はもちろん、安全性能、運動性能の両立など、市販タイヤにも活かすことができる技術を一層向上させることができます。また、今後どんなカテゴリーのタイヤ供給のオファーがある場合に対しても、技術的に準備をしていくことになります」

「日本は自動車メーカーやタイヤメーカーが多数あり、そういう意味でも、若い人たちにもっと興味を持ってもらいたい。その道具として、モータースポーツを使ってもらえればなという思いもあります。スーパーフォーミュラをはじめ、モータースポーツ全般を盛り上げることが我々の課題であり、責任だと思っています」

「モータースポーツも、アスリートの世界と同じく健全な戦いぶりと魅力的な世界。この魅力をモータースポーツファンにはもちろん、サッカーファンなど多くの方々に伝え、共有できることが私たちの夢であり、そのための責任の一端を強く意識しています」

 その後、登壇したJRP中嶋会長も、「2016年度から、ヨコハマタイヤさんに素晴らしいタイヤをサプライして頂くことになり、新たな1ページと言いますか、スーパーフォーミュラがさらに盛んになることを期待しています。ヨコハマさんとともに、ファンのみなさんに喜んで頂けるレースをできたらなと思っております」と、新たなタイヤで迎える来シーズンへの期待感を語った。

 またこの会見には、チェルシーFCのマネージングディレクターを務めるクリスチャン・パースロー氏も登場し、チームとのパートナーシップについて次のように話していた。

「ヨコハマは素晴らしい技術、志を持っている。ともに一緒に成長していこうという意味でパートナーシップを組むことを決めた。チェルシーにとって非常に重要なマーケットである日本で、このパートナーシップによりチェルシーの人気がさらに高まることを期待している。今季は苦しい状況となっているが、まずは勝つことを目標にヨコハマとともに頑張っていきたい」