FIAが、コスト制限の代わりにF1により安価なスタンダードエンジンを導入するというプランを発表した。これについてメルセデスらが反発を示している。
26日、FIAは、2017年に現行パワーユニットより安い価格で提供される“クライアントエンジン”を導入する計画を推し進める意向であり、新たなエンジンサプライヤーを募集すると発表した。新仕様のエンジンを現行パワーユニットと共に走らせる考えで、新たに導入するエンジンの仕様として2.2リッターV6ツインターボが提案されているようだ。
メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフは、このプランには賛成できないと発言した。資金難などによるチーム数減少を防ぐための措置だが、そのためにシンプルなテクノロジーに戻るのはF1にとって誤った道だと彼は言う。
「統治体制の中で大多数が規則変更を望んでいるため、こういう動きになっている」とウォルフが述べたとMotorsport.comが伝えた。
「だが我々は自分たちの主張を訴えていくつもりだ」
「ハイブリッドは重要だ。今、市販車でも起きている動きだ。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を望むのか。我々の考えではそれを哲学とすべきではない」
「FIAと関係者がどういう決断を下すのか見ていく」
ウォルフはF1iに対して次のようにも発言している。
「さまざまな見解があることを理解する必要がある。エンジンマニュファクチャラーは多額の資金をつぎ込んできた。このエンジンコンセプトが今の市販車にフィットしていると考えたからこそ、F1に参戦しF1活動を継続しているのだ」
「だが商業面の責任者から見れば、均衡した戦いの場を用意することが最優先であり、何かひとつが優れているというのは好ましない。我々とは明らかに目指すところが違う」
マクラーレンのレーシングディレクター、エリック・ブーリエは、2種類の仕様のエンジンを同時に走らせる場合、平等に戦えるような規則を作るのは非常に難しいと懸念を示している。
「ふたつのテクノロジーのパフォーマンスのバランスを取るのは非常に難しいだろう」とブーリエ。
「多様化を進めるより、ルノーとホンダが上位との差を縮められるよう助けるべきだと思う」
「これに関して明確な立場を示すのはまだ早い。だがレギュレーションにおいてバランスを取らなければならない。それは悪夢のような作業になるだろう。トップエンジンより安価なエンジンが高いパフォーマンスを発揮することになれば、それはフェアとはいえない」