マクラーレンのレーシングディレクター、エリック・ブーリエが、ホンダが他のチームにパワーユニットを供給することをチームは望まないと改めて明言した。レッドブル・レーシングがホンダにアプローチしたものの、マクラーレンのグループCEOロン・デニスが拒否権を行使したといわれている。
レッドブルがホンダに対し来年のパワーユニット供給に関して打診したと先週報じられた。ルノーとの契約を今季末で解消し、他のマニュファクチャラーと契約することを望んでいるレッドブルだが、メルセデスおよびフェラーリとは合意に至らず、いまだに来季のエンジンを確保できていない。
F1商業面のボス、バーニー・エクレストンは、レッドブルがホンダに打診したが、デニスがこれをブロックしているため、両者の契約がまとまる可能性は低いと示唆した。
この件に関するチームの考えをブーリエが次のように語ったとF1iが伝えた。
「人にはそれぞれ意見がある。しかし事実はこうだ。我々はホンダと手を組みたいと思い、ホンダは我々と組みたいを思った。公式パートナーシップ契約の下でだ。なぜならワールドチャンピオンになるにはOEM公式パートナーを持つという道しかないと我々は考えているからだ。エンジンマニュファクチャラーのカスタマーではワールドチャンピオンにはなれない」
「つまりこれは我々が見出した特権だ。この特権をF1に持ち込んだのは我々であり、誰かと共有したくはない。そういうことだ。これ以上はコメントしたくない」
アメリカGPの週末、エクレストンは、ホンダはレッドブルへの供給に前向きだったがデニスがこれを阻んだと述べた。
「ホンダは彼ら(レッドブル)に喜んでエンジンを供給するという考えのようだが、デニスはそれを許すつもりはない」とエクレストン。
「ホンダが(F1に)参戦すると決めた時、FIAは彼らに対し、もしF1に参戦するなら3チームに供給しなければならないと話した」
「すると彼らは『新規参入するのにそれは無理だと思います』と言った。それで1年目には1チーム、2年目には2チーム、3年目には3チームに供給するよう言われたのだ」
「つまりホンダはFIAおよび私と合意に達している。それによってF1参戦が許されたのだ」
「しかし彼らとチームの取り決めにおいて、ロンが拒否権を持っている。そして彼はレッドブル(とホンダの契約)を望んでいない。彼らがライバルになると思っているからだ」
「ロンは(供給)すべきでないと言った。その拒否が有効であるのかどうかは知らないが」
「誰も責めてはいない。事実を話しているだけだ。ホンダが同意すればレッドブルはホンダエンジンを載せることができる。だがロンとの議論を避けるために彼らは同意しないだろう」