マクラーレンはメキシコGPでジェンソン・バトンのマシンにアップグレード版パワーユニットを搭載する予定だったが、これを延期する可能性があると認めた。アメリカGPでアロンソが使用した新仕様のパワーユニットには決勝中にトラブルが発生、現在原因の調査が行われている。
ホンダが残ったトークンを入れて開発した最新スペックのエンジンはまずロシアGP金曜にアロンソ車でチェックが行われ、アメリカでペナルティなしに搭載、週末を通して使用された。しかし決勝終盤に一時パワーが低下、それによりアロンソは入賞のチャンスを失った。ホンダはインジェクター関連のトラブルであるとの見解を示し、この問題について調査を行う必要があると述べていた。
しかし次戦メキシコGPはすぐ翌週末に行われ、限られた時間しかない。バトン車への搭載は問題の原因を見極めてから行いたいと、マクラーレンのレーシングディレクター、エリック・ブーリエが語った。
「フェルナンドはパワーを失った。だが原因は正確には分かっていない」とブーリエが述べたとMotorsport.comが伝えた。
「センサーに問題が出た可能性があると理解している。そのためにマシンの再プログラミングを行うよう彼に指示しなければならなかった。それでもダメージを被った」
トラブルの原因は完全には分かっておらず、今の段階ではアロンソが今季中に再びコンポーネントの交換を行わなくなる可能性も考えられるとブーリエは認めている。
また、メキシコでバトンのマシンにも新エンジンが搭載される予定だったが、信頼性を確認できない場合はこれを延期するとブーリエは示唆した。
「エンジンを詳しく調べた後に決断を下さなければならない。1戦しか持たないのでは困る」
一方で、新仕様のエンジンには進歩がみられると、ブーリエは述べている。オースティンで改善を確認できたかというF1iの問いに対してブーリエは「イエス。そう思う」と答えた。
「データを見た。今週末は十分なデータを取ることができたので、2台のマシンで比較を行うことができた。一歩前進した」
Motorsport.comは、新エンジンは前の仕様より20馬力の向上を果たしたと伝えている。