映画『人狼ゲーム クレイジーフォックス』が、12月5日から東京・新宿武蔵野館ほかで公開される。
同作は、桜庭ななみ主演の『人狼ゲーム』、土屋太鳳主演の『人狼ゲーム ビーストサイド』に続く、「人狼ゲーム」をモチーフにした映画シリーズの第3弾。人狼ゲームは、プレイヤーが「村人」の皆殺しを狙う「人狼」と、正体を隠した「人狼」を処刑する「村人」に分かれて行う心理ゲームだ。
川上亮の小説をもとにした『人狼ゲーム クレイジーフォックス』には、選んだ人物が人狼か村人かわかる「予言者」、人狼から村人を守ることができる「用心棒」、処刑された人物が人狼か村人かわかる「霊媒師」、予言者の占い対象になると死亡する「狐」といった新たなカードが登場。狐のカードを引いた森井あやかの視点から描かれる物語となり、プレイヤーのひとりである多喜川陽介に一目惚れしたあやかが、彼と生き残るために駆け引きを行う様が描かれる。
あやか役を演じるのは、映画『思い出のマーニー』の杏奈役や『ストレイヤーズ・クロニクル』などの出演で知られる高月彩良。人狼か村人か判別のつかない陽介役を柾木玲弥が演じる。さらに、冨手麻妙、斎藤嘉樹、藤井武美、萩原みのり、冨田佳輔、水石亜飛夢らがキャストに名を連ねている。メガホンを取るのはdTVオリジナルドラマ『みんな!エスパーだよ! ~欲望だらけのラブ・ウォーズ~』で監督を務めたほか、園子温監督作に助監督として参加している綾部真弥。
■高月彩良のコメント
人狼ゲーム第1弾の桜庭ななみさんも、第2弾の土屋太鳳さんも憧れの方たちなので第3弾の主演を私にと言われたときは、とても驚きましたが名誉なことで嬉しかったです。この作品で私もステップアップできたらいいなと思っています。
映画初主演は、不安な気持ち8割、楽しみな気持ち2割で挑みました。未熟な私に主役が務まるのかと不安な気持ちでいっぱいでしたが、8割の不安はあやかのリアルな心情に役に立ったと思っています。
綾部監督は何処までも付き合って下さいました。細かいお芝居のご指導を沢山下さいました。監督のよーい、はい!の掛け声は痺れる程の魂がこもっていて尋常じゃ無い緊張感が現場に毎回流れていました。監督の掛け声を聞くたびに失神しそうなくらい本当に、すごいです。命懸けのゲームの緊張感を監督が作って下さいました。
愛情や友情、大切なものを犠牲にしてまで生き残ろうと思うあやかの芯の強さがなんだかとても羨ましく思いました。私だったら、出来ないなと。この作品で、12人ひとりひとりが生き残るために、まさに命をかけて心理ゲームに挑みます。その戦慄の駆け引きを是非、見届けていただきたいです。
■冨手麻妙のコメント
今回の作品に出演が決まったと聞いて、綾部監督と一緒に映画が出来る!という喜びが物凄く大きかったです、今でもその時のワクワク感とか嬉しいという気持ちが忘れられないくらい。というのも、綾部監督が助監督をされてる現場で何度かご一緒させていただいて、ずっと綾部監督が映画を撮る時は私も絶対に参加できるようにがんばります!!と言っていたので、今回その目標が叶って、何より嬉しかったのと同時に、絶対にこの作品を素晴らしいものにしようと意気込みました。
最初に台本を読んだ感想は『狂気』。私の役に対して『なんで、狂っているんだろう』という印象を持ちました。まさに人狼。人間ではないな、動物的だな、というイメージを持ったのですが、リハーサルを重ねて、現場に入って、橘有希という女の子の人生を生きていくうちに、最初の印象とは正反対の『本当はすごく人間らしい。本当は凄く弱い女の子なんだ』ということに気付きました。
『人狼ゲーム』という非日常の世界が、現場に居るうちに凄くリアルに感じてきて、撮影が全部終わったあとの解放感は、今までのどの作品よりも大きかったです。観てくださるみなさんには、その非日常の世界にいるリアリティーを感じてもらえたらいいなと思います。綾部監督、スタッフのみなさん、キャストが命懸けで作り上げた作品。ぜひ沢山の方々に観て頂きたいです。
■柾木玲弥のコメント
人の生死がゲームで決まるという非現実的な世界観と思いきや物語の中には人の妬み、嫉妬、好意、信頼などいろんな感情が渦巻いていて凄くリアルな世界観を感じました。同世代の力のある役者さんたちからとても良い刺激を貰いながら撮影が出来て他の現場とは何か違うものも感じ、個人的にはとても想い入れの強い作品になりました。
最後まで誰が死に、誰が生き、どんな展開になっていくか分からないと思います。ご覧になる方も疑心暗鬼になったり、ハラハラしたり、ドキドキしたりと物語の展開に共感して頂けたら幸いです。
■綾部真弥監督のコメント
もともとの人狼ゲームのもつ、先の読めない展開の面白さや、際立つ人間性を余すことなく描く作品にしたいと考えました。この作品に描かれている、監禁され生死を賭けたゲームをさせられるというのは、非現実的な設定ですが、一方現実世界の不条理さそのものではないかと思います。この不条理なるものと直面し、「殺されたくない・死にたくない」と強く願うことは、「生きたい」という生への欲求ではないか。たとえ人を欺き・陥れても自分が生きていたい。人間の究極のエゴイズムに葛藤し、それでも生き残るために、自分自身や他者と全力で格闘する者たちの、熱量を少しでも感じて頂けたら幸いです。
高月彩良さんが演じる、森井あやかの、エゴイズムに葛藤し闘う姿は、目を逸らすことの出来ない確かな力があります。運命と立ち向かう彼女の闘いを、是非劇場で目撃して下さい!