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FIA、ドライバーを守る3つのアイデアを公開

2015年10月27日 15:11  AUTOSPORT web

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FIAが公開した、コクピットを保護するためのアイデア
FIAは来月にも、F1マシンのコクピットを保護するための3つのアイデアをテストすることを明らかにした。

 テストされるものは現在FIAが検討している対策案すべてで、事故が起きたとき、特にホイールなど物体の衝突からドライバーを保護するためのものだ。

 第1案はマシンのノーズに取りつけられるロールケージのアップデート仕様となる「AFP-V2」で、ノーズから突き出た3本のバーが衝突する物体の軌道をずらすというもの。第2案はメルセデスが提案する「ハロ型」(写真)。第3案は、3本のロールフープがノーズ中央からドライバーの頭上に位置するエアインテークまでつながるというもの。第3案の素材は、これから決定されるという。

 FIAは安全対策に関する研究が進んでいることを示すため、これらのアイデアをアメリカGP金曜のブリーフィングで公表した。

 第2案と第3案は、マシンからドライバーを救出する際に問題を残している。だが、FIAセーフティディレクターを務めるローラン・メキースは「我々はまず解決策を見出し、その他の問題点については、のちに対応する。広い範囲でソリューションを検討してテストから学習していくつもりだ」と述べている。

 GPDA会長のアレクサンダー・ブルツも以下のように語っている。

「正直に言えば、見た目に優れていないソリューションもあるだろうが、まずは機能ありきで進め、それからスタイルに取り組んでいこう。まずは成果に目を向け、ドライバー救出や、その他の潜在的な危険への対策はそれからでも可能だと信じている。どのような物体が飛んでくるかを踏まえるなら、キャノピーがベストな案だと僕も考えているが、そうなるとすばやい救出が必要なケースや出火の際に問題が残る。何かしらの対策がされるのは良いことだが、それには時間がかかることを受け入れなくてはならない。来年導入されるものについての話をしているわけではない。ソリューションが100%安全であることを確認し、進めていく必要がある」

 メキースは「2017年以前には何もできない。それは不可能だ。しかし良い結果が得られれば2017年には何かしらの発表ができるだろう」と付け加えた。

 FIAは2016年にはハイスピードカメラを搭載する予定で進めており、アメリカGP以前の金曜フリー走行でダニール・クビアトとフェルナンド・アロンソのマシンにプロトタイプを使用してテストしたことを明らかにした。

 メキースは「ハイスピードカメラはドライバーの頭部と上半身が状況によってどのような動きをするか理解するためのものだ」と説明。ブルツも「事故が起きた際に、人間の体がどれだけの影響を受けるかの理解に役立つ」とコメントした。

 2009年ハンガリーGPでフェリペ・マッサが破片に直撃された事故を受け、FIAはザイロン製のバイザーを導入。これでバイザー部に衝突した物体は跳ね返され、ヘルメットは次世代型となった。コクピットの安全対策は今後も検討とテストが続けられる。