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逆転Vのハミルトンが個人総合3度目の王座。ロズベルグ痛恨のミスに泣く/F1アメリカGP決勝

2015年10月26日 09:31  AUTOSPORT web

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3度目の王座を決めたルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)
2015年F1第16戦アメリカGPは25日(現地時間)、テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで56周の決勝レースが行われ、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが今季10勝目を挙げ、歴代4位タイとなる3度目のドライバーズタイトルを獲得した。

 メキシコを襲った大型ハリケーンの影響で波乱の週末となった今年のアメリカGP。初日午後のフリー走行が中止となり、土曜に予定されていた予選は天候回復の目処が立たず、決勝日朝の日曜午前9時からに延期され、ウエットセッションのなかQ2タイムでメルセデスAMGのニコ・ロズベルグがポールポジションを獲得した。

 迎えた午後2時からの決勝は、早朝からの雨は止んだものの路面は大部分が湿ったままの状態で、全車は浅溝の雨用タイヤでグリッドに並んだ。
 注目のスタートでは、2番グリッドから鋭い加速を見せたハミルトンが1コーナーでポールシッターのロズベルグをサイド・バイ・サイドからオーバーテイクしトップを奪取。逆にポジションを死守しようとしたロズベルグは、軽い接触も受けてアウト側に押し出される格好となり一旦5番手まで後退。すぐに先行するフォース・インディアを抜いて4番手に浮上するも、2番手と3番手には2列目スタートのダニール・クビアトとダニエル・リカルドのレッドブル勢が続くこととなった。

 5周目に、コース上のパーツを処理するためにバーチャル・セーフティカー(VSC)が発動、レースは8周目から仕切り直しとなるが、再スタートのタイミングでロズベルグが3番手を奪取、続くバックストレートでも2番手を奪い、上位のオーダーはハミルトン、ロズベルグ、クビアト、リカルドとなってトップ4台が後続を引き離していく展開となった。

 しかし序盤は路面がウエットからドライへ切り替わる難しいコンディションがしばらく続いたことで、レッドブル2台がメルセデス勢を上回るパフォーマンスを発揮。クビアトのコースオフで3番手に浮上のリカルドが13周目にロズベルグを交わすと、15周目にはタイヤが限界を迎えたハミルトンをオーバーテイクし、リードを広げていった。

 18周目にロズベルグにも抜かれたハミルトンはたまらずここでピットイン、ドライタイヤのソフトコンパウンドに履き替えると、続く19周目に首位のリカルドやロズベルグ、クビアトもピットイン。オーダーはリカルド、ロズベルグ、クビアトのトップ3へと変わり、ハミルトンは4番手。さらにハミルトンと同じ周のタイヤ交換で大幅にギャップを縮めた13番手スタートのセバスチャン・ベッテルも5番手に浮上してくる。

 ここからレースは本格的にドライコンディションへと切り替わるが、これで息を吹き返したのがメルセデス勢。逆にレッドブルの2台はロングストレートでパワー不足を露呈し、22周目にはロズベルグがトップに浮上、同じく3番手に上がったハミルトンも26周目にリカルドをかわして2番手となり、メルセデス勢が1-2態勢を築いた。

 27周目、ザウバーのマーカス・エリクソンがコース上でストップし、セーフティカーが出動した。すると上位勢でベッテルだけがタイヤをミディアムに交換し、33周目のレース再開後には3番手へ浮上する。その後、リカルドとの接触でコース脇にストップしたヒュルケンベルグのマシンを撤去するため2度目のVSCが発動されると、ここで首位のロズベルグがピットインし、再びソフトを履いてコースへ復帰。すぐにマックス・フェルスタッペンを抜いて3番手につけると、41周目にはベッテルを交わして2番手となった。

 43周目、レッドブルのクビアトが濡れた人工芝に乗ってクラッシュし、またもセーフティカーが出動することとなる。この間に首位のハミルトンに続いてベッテルもピットイン。すでにミディアムで15周以上を重ねていたベッテルはこのタイミングを利用して上位と同じソフトたイヤを装着。47周目にフェルスタッペンを抜き、これでオーダーは再びロズベルグ、ハミルトン、ベッテルへと変わった。しかし、ここで優勝目前のロズベルグが49周目に痛恨のコースオフで2番手に後退。最後の最後でハミルトンの王座獲得の条件が揃うと、ベッテルも最後の追い上げも及ばず3位でフィニッシュ。この瞬間、トップチェッカーを受けたハミルトンの王座獲得が決まった。

 4位フェルスタッペンと5位セルジオ・ペレス、6位カルロス・サインツJr.に続いて、マクラーレン・ホンダのジェンソン・バトンが7位でフィニッシュした。
 終盤は一時5番手まで浮上したバトンは、最後のピットストップ後に9番手まで後退したが、先行する2台のバトルに乗じて7番手へ上がると、同じく健闘していたフェルナンド・アロンソのマシントラブルで6番手に浮上、最後は一つポジションを落として7位チェッカーを受けたが、6位のサインツJr.が5秒加算のペナルティを受けていたため、正式結果は6位となった。アロンソは最後にリカルドに抜かれて11位でフィニッシュしている。