アメリカGP土曜日は、朝から激しい雨に見舞われた。それでもフリー走行3回目は予定どおり午前10時にスタート。セッション開始と同時に多くのマシンとともに、マクラーレン・ホンダの2台もコースへ出て行った。
天候は午後に向けて、さらに悪化すると予想されており、もし予選が中止となった場合はフリー走行3回目の結果がスターティンググリッドに反映されると発表されていたからだ。
それでも60分のセッションでフェルナンド・アロンソは9周、ジェンソン・バトンは7周するのが精一杯。タイムは14位と16位に終わっている。
予報どおり天候は午後に入って、さらに悪化。午後1時にスタートする予定だった予選は「30分遅延」を6回繰り返したあと、午後4時に「日曜の午前9時に順延」との決定が下された。
ホンダの新井康久F1総責任者は、サーキット・オブ・ジ・アメリカズについて「平均車速がそんなに速くないので、まったく歯が立たないというわけではない。だが得意なサーキットかと言われれば、必ずしも相性が良いとは言えない」と語った。しかし、それはドライコンディションでの話。予選が行われる日曜の午前中は雨の可能性もある。
「もし日曜がウエットになると我々にとっては厳しいかもしれない。パワーユニットとしてはウエットになればデプロイの心配をしなくていいかもしれないけれど、今年の空力パッケージは昨年と大きく違うので、昨年のデータがあまり参考にならない。パッケージとして、我々にとっては難しい状況になるでしょう」
ただしウエットでは、パワーをかけると滑りやすくなり、タイヤのグリップ限界も低くなるので、マシン性能の差が出にくくなる。新井総責任者も「ドライバーの腕が試されるという意味では我々にとって、いいかもしれない」と認めつつ、雨になると「来ていただく、お客さんがかわいそう」とコンディションの回復を祈っていた。
(尾張正博)