2015年F1第16戦アメリカGPの予選は、悪天候による開始時間の延期が繰り返された結果、天候回復が見込めないとして、日曜朝9時(日本時間25日23時)に延期されることになった。
テキサス州オースティンにあるサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催されているF1アメリカGPは、前日、メキシコに上陸した大型のハリケーン「パトリシア」の影響で、金曜午後のフリー走行2回目が中止。土曜朝のフリー走行は激しい雨のなかでなんとか決行されたが、その後は雨足がさらに強まり、13時開始予定の予選はスタート時間の30分延期がアナウンスされることになった。
しかし、予定の時間が近づいても雨足は一向に収まる気配をみせず、サーキットの一部はコース外の水没地帯から雨水が溢れ出すなどコンディションはさらに悪化。その後、再び30分の延期が発表されたものの、天候回復の目処は立たず、予定から約1時間が経過した頃にはFIAのF1レースディレクター、チャーリー・ホワイティングを乗せたマーシャルカーがコース状況のチェックに向かうこととなった。
その後も、コースマーシャルたちを一時退避させるためにバスが回収に向かうなど、サーキットにはセッション中止の雰囲気が漂いはじめ、チームのガレージでもドライバーたちがダンスやサッカーなどを披露。トロロッソのガレージでは、カルロス・サインツJr.の父である元WRC(世界ラリー選手権)王者のカルロス・サインツとマックス・フェルスタッペンの父で元F1ドライバーのヨス・フェルスタッペンがチームのレーシングスーツに身を包んでマシンに乗り込むなど、予選開始を待ち続けるスタンドの観客たちを楽しませた。
だが、その後も天候とコースコンディションは回復せず、セッション6度目のアナウンスとなった公式通知で、現地時間16時(3時間経過)時点で「天候回復が見込めない場合は日曜朝9時まで延期」されることが発表。予定の16時を迎えると、正式に翌日への延期が決まった。
なお、日曜朝の現地オースティンの天気予報は、にわか雨で降水確率は60パーセント。もし、日曜朝の予選も延期されることになれば、土曜朝のフリー走行の結果で決勝のスタートグリッドが決定されるものとみられている。
決勝は25日14時(日本時間26日早朝4時)から行われる予定。予報では、おおむね曇りで降水確率は25パーセントとなっている。
■過去の延期例
F1で予選が日曜に延期されたのは、近年では2010年の日本GPと2013年の開幕戦オーストラリアGPがある。2010年日本GPでは今回と同様に開始時間の延期が繰り返された末に、日曜朝への延期が決定。午前10時から予選、午後3時から決勝が行われた。一方、2013年のオーストラリアGPは雨による度重なる中断で予選Q1のみが行われ、予選Q2とQ3は決勝日の朝に行われた。なお、予選と決勝の同日開催は2004年の日本GPを合わせ、今回で4回目となる。