2015年F1第16戦アメリカGPの土曜フリー走行は、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンがトップタイムをマークした。
2日目を迎えたサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)は、前日メキシコに上陸した大型のハリケーン「パトリシア」の影響で、引き続き激しい雨と風に見舞われた。そのためFIAは、フリー走行と予選を予定通りに実施するかを早朝から話し合っていたが、午前10時の開始直前にFP3の実施を発表。チームも予定通りに準備を進めていたため、各車はグリーンライトと共に一斉にヘビーウエットのコースに向かった。
セッション序盤、各車は比較的雨量の少ない時間帯にタイムを出そうと、続々とアタックラップに入っていく。しかし、コース上はすでにかなりの雨量で滑りやすく、ドライバーはアクアプレーニングと格闘しながら走行。
ここで、メルセデスのニコ・ロズベルグはコースオフを喫してバリヤにヒット。フロントウイングとノーズを破損したロズベルグは、ガレージでの修復作業を余儀なくされ、貴重な時間を失うことになった。
その間、コース上では、暫定トップのルイス・ハミルトンをセバスチャン・ベッテルとキミ・ライコネンが上回り、フェラーリ勢が1-2態勢に。パワーユニットの交換ですでに10グリッドの降格が決まっている彼らはその後もベストタイムを塗り替え、ベッテルが2分ちょうどのタイムでセッションをリードすることとなった。
開始から20分が過ぎると、ようやく修復作業を終えたロズベルグが最初のタイム計測を行い、暫定5番手タイムをマークするが、そこからなかなかタイムを上げることができないロズベルグは、次第にベストタイムを塗り替えていくライバルたちにポジションを奪われ、9番手まで後退。その後のセッション後半は、コースコンディションが悪化していったため、挽回することはできなかった。
一方、チームメイトのハミルトンはコンディションが悪化する直前に、ただひとり2分の壁を破る1分59秒517をマークしてトップを奪い返すと、その後は雨足が強まったこともありトップの座をキープ。結局、最後までコンディションが回復することはなく、ハミルトンがFP3をトップで終えることとなった。
2番手のベッテルはハミルトンにトップを奪われた後も再度タイムアタックをかけたが、アクアプレーニングで立て続けにスピンを喫するなど、まともに走ることができず。3番手は前半終始走り続けていたフォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグがつけ、4番手も同じくウイリアムズのバルテリ・ボッタスが入った。
同じウエットコンディションのFP1で4番手につけたサインツJr.が、ダニール・クビアトとライコネンを上回る5番手タイムを記録。以下8番手にリカルド、9番手ロズベルグ、10番手フェリペ・マッサと続いた。
マクラーレン・ホンダはフェルナンド・アロンソが14番手、ジェンソン・バトンが16番手タイムをマーク。トロロッソのもう一台を駆るマックス・フェルスタッペンは最下位に沈んだ。
なお、午後1時から予定されている予選は天候悪化の予報もあり中止の可能性も。仮に中止になった場合は、FP3の結果が決勝のスターティンググリッドになることがすでに発表されている。