トップへ

フォーミュラE第2シーズン開幕戦・北京ePrix予選レポート:ブエミがPP獲得。ルノー・e.ダムスがフロントロウ独占

2015年10月24日 15:01  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

フォーミュラE2015-2016開幕戦 北京ePrix 予選でフロントロウを独占したルノー・e.ダムス
フォーミュラE第2シーズンの開幕戦、北京ePrixの予選が行われ、チームメイト対決を制したセバスチャン・ブエミがポールポジションを獲得。2番手にもニコラス・プロストが入り、ルノー・e.ダムスがフロントロウを独占した。

 現地時間の12時から行われた予選セッション。今季から各グループのアタック時間は6分間(第1シーズンは10分間だった)に縮められ、その代わりに全グループがアタックを終えた後、上位5台によるスーパーポールセッションが行われる形に変更されている。

 まずグループ1に組み分けされたのは、シモーナ・デ・シルベストロ(アンドレッティ)、ネルソン・ピケJr.(ネクストEV TCR)、ダニエル・アプト(アプト・シェフラー・アウディ・スポート)、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(チーム・アグリ)の4台。6分に縮まった走行時間のため、タイムアタックのチャンスは現実的には1回限りと言える。先頭でコースインしていったのはアプトで、ピケJr.が後ろに続く展開だ。ピケJr.はマシンの挙動が安定せず、アタックラップでもないのに走らせるのに苦労しているのが伺える。

 結局このグループでトップタイムを記録したのはアプトで、1分39秒220。以下デ・シルベストロ、最終コーナーでミスがあったダ・コスタと続いた。ドライビングに苦労したピケJr.は、このグループ最下位となってしまった。

 グループ2はブルーノ・セナ(マヒンドラ・レーシング)、ルーカス・ディ・グラッシ(アプト・シェフラー・アウディ・スポート)、ニック・ハイドフェルド(マヒンドラ・レーシング)、ステファン・サラザン(ベンチュリ)、ニコラス・プロスト(ルノー・e.ダムス)の5台が出走。このグループは、非常にハイレベルな争いとなった。各ドライバーがセクター1でグループ1のドライバーを軽々と超えると、まずはディ・グラッシが1分38秒512を記録して全体のトップへ。しかしその直後にプロストが1分38秒206でトップタイムを更新。ハイドフェルドが2番手に入った。このグループは全車が1分38秒台を記録し、この時点でのトップ5を占めた。

 グループ3はジャン-エリック・ベルニュ(DSヴァージン・レーシング)、セバスチャン・ブエミ(ルノー・e.ダムス)、ジャック・ビルヌーブ(ベンチュリ)、ナタナエル・ベルトン(チーム・アグリ)の4台。フリー走行1回目でトップタイムを記録しているブエミの速さはやはりホンモノで、セクター1で圧倒的なファステストタイム。残りのセクターも圧倒し、グループ2のプロストのタイムを約0.8秒更新する1分37秒488でトップに躍り出た。ベルニュは2番手に入ったが、ブエミからは0.5秒遅れ。ビルヌーブは9番手に入っている。12番手だったベルトンは、バンプで大きく飛び跳ねるシーンもあった。

 最終グループ4にはオリバー・ターベイ(ネクストEV TCR)、ロイック・デュバル(ドラゴン・レーシング)、ロビン・フラインス(アンドレッティ)、ジェローム・ダンブロジオ(ドラゴン・レーシング)、サム・バード(DSヴァージン・レーシング)の5台。ダンブロジオはアタックラップに入った直後、右リヤをウォールにヒット! しかしマシンにダメージはないようで、走行を続けていく。結果、タイムは1分39秒058。グループ最速はデュバルの1分38秒859だったが、こでれも全体の8番手だった。

 この結果により、スーパーポールセッションには、ブエミ、ベルニュ、プロスト、ハイドフェルド、ディ・グラッシの5人が進むことになった。一方、前年チャンピオンのピケJr.は、まさかの最下位スタートが確定している。

 スーパーポールセッションは、5番手のマシンから順に1台ずつアタックを行っていく形となり、1度限りのアタックラップを行って順位を競う。

 まずコースインして行ったのはディ・グラッシ。ピットアウトラップでは、いつも以上に入念にウィービングを行って、タイヤを暖める。しかし勢い余ってか、アタックラップに入った直後の1コーナーに突っ込みすぎ、ホイールロック。これは明らかなタイムロスで、結局1分39秒539に終わってしまう。

 続いてアタックに入ったのはハイドフェルド。ハイドフェルドは丁寧にブレーキングをしながらも、シケインなどでは豪快にマシンを振り回す。そして無難に1周をまとめ、1分38秒339。これでディ・グラッシを上回り、4番グリッド以上を確定させた。

 3番手にコースインしていったのは、昨年の北京ePrixのポールシッターであるプロスト。非常にアグレッシブなアタックで、コースギリギリを攻めていく。1分37秒581と、ハイドフェルドを0.8秒上回るタイムで、この時点でトップに立った。

 ツインモーターマシンとして唯一スーパーポールセッションに進出したベルニュが、4番目の走行。しかし、1コーナーで止まり切れずに直進してしまい、万事休す。コースに復帰してコントロールラインを通過したが、2分21秒284となった。

 最後のアタックはブエミ。チームメイトのプロストと、事実上のポールポジション争いとなった。セクター1の時点ではプロストより0.2秒速かったが、セクター2ではプロストの方が速い……しかしブエミはセクター3で挽回して1分37秒297を記録し、開幕戦でのポールポジションを決めた。2番手にもプロストが入って、ルノー・e.ダムスがフロントロウを独占する形となった。

 オフシーズンからの速さを継続させたルノー・e.ダムスの速さが目立った北京ePrixの予選。ブエミのタイムは、3番手のハイドフェルドを1秒以上も引き離す、圧倒的なものだった。速さだけでなく、ドライバビリティの面においても、他のチームを圧倒している感のあるルノー・e.ダムス。さて、決勝レースではどんな走りを見せるのか? 一方、初代チャンピオンはまさかの最下位グリッド。ここからどこまで追い上げてくるのかという点にも注目だ。

 フォーミュラE第2シーズン開幕戦・北京ePrixの決勝レースは、このあと17時(日本時間)にスタートが切られる。