競合の垣根を超える試みとして東日本大震災後の2011年10月から実施されている「ギンザファッションウィーク(GINZA FASHION WEEK=GFW)」。9回目となる今回は、既存3店に銀座・和光が加わり10月21日に開幕した。「銀座地区全体の取り組み」を目標に参加店舗は除々に拡大しているが、10回目の節目を次回に控え、次なるステップへどのように飛躍していくのか。参加各店舗のトップは「広がりをもたせることが重要」と語る。
ギンザファッションウィークのこれからの画像を拡大 「世界のGINZAからファッションで銀座の街を日本を元気にする」ことを目的に、松屋銀座と三越銀座店が共同でスタートさせた「ギンザファッションウィーク」は、第5回目からプランタン銀座が加わり、これまでの"点"から"面"の取り組みに変化。期間中は各店で幅広い年齢層の来店が増えるといい、親子での買い回りが見られる銀座・和光も共同開催店舗となることで、面の密度を濃くすると共に一層の相乗効果を狙う。今回の9回目は「JAPAN」が共通テーマで、4店それぞれがイベントやアイテムを展開。イベントの原点に立ち帰りチャリティ企画を立ち上げ、オリジナルのトートバッグを共同製作して買い回りを促す。
参加店舗が4店に増えた「ギンザファッションウィーク」だが、現状は3丁目と4丁目の大手商業施設のみのため、各店舗のトップともに店舗数・エリア・ジャンルの広がりに「大きな可能性がある」という。第1回開催時から三越銀座店の店長として企画に関わり今回から再度携わることになった和光の安達辰彦社長は、「(銀座・和光は既存3店のように)百貨店ではなく専門店。銀座にあるたくさんの商店が参加するきっかけになれば」とコメント。今後の展望について松屋銀座の古屋毅彦店長は、「誰もが楽しめる参加型に発展させることで、広がりが出てくるのではないか」と話しており、具体策として三越銀座店の浅賀誠店長は「GFWの軸にしているファッションを(アパレルだけではなく)"旬なライフスタイル"と捉えれば、様々なジャンルの商店を巻き込むことができる。核の部分では"メイド・イン・ジャパン"や"ものづくり"という本来のキーワードを打ち出しながら、知恵と工夫で敷居を低くし、裾野を広げていけたら」という。またプランタン銀座の伊藤雅彦店長は「(参加を促すには)加わることで何ができるかを明示することが重要。個人的には、来年開業する5丁目や6丁目の大型施設とも将来的に一緒に取り組めたら」と話す。今後は銀座に軒を連ねるラグジュアリーブランドも巻き込んでいくことができれば、エリアでの広がりと共にイメージの浸透も期待される。
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■ ギンザファッションウィーク 期間:開催中~11月3日(祝・火) 場所:松屋銀座、三越銀座店、プランタン銀座、銀座・和光