今週末のアメリカGPで、フェルナンド・アロンソのみがホンダのアップグレード版パワーユニットを週末を通して使用し、ジェンソン・バトンは従来の仕様を使うことが改めて確認された。
マクラーレンのアロンソはロシアGP金曜フリープラクティスで、新しい“フェーズ4”のエンジンで走ったものの、すぐに従来仕様に戻してその後のレースのためにセーブした。この新しいエンジンをアロンソがアメリカGPの週末を通して使用すると、アロンソとチームメイトのバトンが認めた。バトンは次戦メキシコGPでアップグレード版を使用する見込みで、その場合はグリッド降格ペナルティを受けることになる。
バトンは、アロンソのマシンのみがアメリカGPで新仕様のエンジンを搭載すると認めた後、次のように語った。
「普通はチームメイトと同じ仕様のものを使いたい。でもこのアップグレードが優れたものであることを期待している。彼が圧倒的に速くて、週末を通して僕に圧勝してくれたらいいな。こんなことを言うのは普通じゃないけれど」
「タイトル争いをしていたり、トップで戦っている場合は、(チームメイトとの条件は)すべて同じでなければならない。僕は常にそれを求めてきた。でも今の僕らの状況を考えると、アップグレードをすぐにコースで走らせて、信頼性を確かめなければならない」
「次のレースでは僕も同じエンジンを使う」
バトンは、アメリカGPではポイント獲得のチャンスが比較的高いため、ここでエンジン交換を行ってペナルティを受けて今後のためにセーブするという手段は取らないと述べている。
アロンソは新しいシステムは向上しているものの、どの程度進歩したかは今週末走らせてみなければ分からないと語った。しかしアメリカGPの週末は雨が予想されており、評価作業が難しくなりそうだ。
「コクピットの中からでは違いを感じづらいけれど、データではエンジンの向上が予想どおりであることが分かる」とアロンソ。
「エンジンを作る上でのコンセプトが少し違っているから、それはとてもいいニュースだし、ポジティブなステップだ」
「ここで使ってパフォーマンスを引き出したい。でも天気予報を見ると(雨が予想されているため)、改善を最大限に活用できるかどうか、少し疑わしいけれど」
「(ウエットコンディションになるため)今回エンジン、そして空力面がどれだけ大きく向上したかを知るのは難しいだろう。ここにはかなり興味深い新しいパーツを持ち込んでいるんだけどね」
「あまり走行できないと、そこからある程度予想して、一番いいものを選ばなければならない」
「今回のステップより重要なのは、来年のエンジンの哲学だ。今回の仕様にはそれが導入されている。方向性は正しい」
ロシアGPで短い時間ながらテストした後、マクラーレンのレーシングディレクター、エリック・ブーリエは、新仕様のパワーユニットに関してポジティブな感想を述べていた。