学生が学業に専念できるようにと、企業の採用活動を後ろ倒しした2016年卒の就職活動。しかし水面下で解禁前に活動する会社が続出したうえ、内定辞退した中小企業が採用を続けているため、逆にかなりの長期化を招いてしまったのが現状だ。
この「失敗」に手を焼いた企業は、2017年卒の採用活動を見直そうと考えているようだ。人材採用コンサルティングのジョブウェブが、2016年に新卒採用を行った52社に2017年卒の採用活動の予定を聞いたところ、32.7%の会社が「年内に選考を開始したい」と回答したという。
10月時点で「選考開始している」企業は約1割
今年の経団連の「解禁日」は8月からなので、これを8か月以上も前倒しして行うという意向だ。「3月前に本選考を始めたい」と答えた企業も59.6%にのぼり、さらには「10月時点ですでに選考を開始している」という企業も9.6%と約1割を占める。ほぼすべての企業が、今年の解禁日なら守らないと答えていることになる。
内定出しについても、前倒しの傾向が鮮明だ。年内に内定出しを開始する企業が21.2%にのぼっている。3月から5月の合計が53.8%となっており、ピークになりそうだ。今年の倫理憲章どおりの「8月以降」とした企業は9.6%にとどまった。
調査元は、就活生の動きは企業に影響されるため、2015卒の就活スケジュールへの回帰が想定されると分析している。しかし経団連会長も就活解禁の「2か月前倒し」に前向きな発言をしており、これを踏まえると2015年卒以上の前倒しに備えるべきなのかもしれない。
あわせてよみたい:就活ルールがまた見直し? 学生は「今年完全に生贄だったな」