『ニッポン・マイノリティ映画祭』が、12月19日から東京・渋谷のユーロスペースで開催される。
日本大学藝術学部映画学科の学生が主催する同イベント。「日本のマイノリティー」をテーマに据え、日本におけるマイノリティーと日本映画の歴史を照らし合わせながら、現在や未来の日本を考察することを目指すという。
上映作品は、リュミエール兄弟によって派遣されたカメラマンが約120年前のアイヌ民族を捉えた『リュミエール映画 日本篇』、被差別部落やハンセン病患者への迫害の歴史を描いた今井正監督の『橋のない川 第一部』、野村芳太郎監督の『砂の器』、セクシャルマイノリティーの人々を題材にした橋口亮輔監督の『二十才の微熱』、松永大司監督の『ピュ~ぴる』、オウム真理教を捉えた森達也監督のドキュメンタリー『A』など全16作品。
なお同イベントに寄せて鳥越俊太郎は、「差別と偏見。これはいつの時代にも、どこの國でも存在するものです」「日本ではどうでしょうか?単一民族を装い、差別と偏見は見えません。でもあるのです!そこを考える映画祭にしてほしい!」、松江哲明監督は「声の大きな人をわざわざ映画で描く必要はない。そんなのはほっておいても十分に届く。それよりも耳を傾けなければ聞こえないような声、または声さえも出せない人を描くのが映画だと思う。マイノリティを直視しなければこの国は映せない」とコメントしている。