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マンション傾斜問題、頻出する欠陥工事を自分で見抜く方法とは

2015年10月21日 01:50  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

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大手デベロッパー・三井不動産レジデンシャルが売主のマンションで発覚した欠陥。問題となっているのは、神奈川県横浜市のマンション『パークシティLaLa横浜』。昨年の初めには、三菱地所レジデンスが手がけた東京・青山の建設中の超高級マンション『ザ・パークハウスグラン南青山高樹町』で配管ミスが明らかになった。信頼が売りの大手デベロッパーで欠陥工事が続出しているのはなぜなのか。 「工事現場というのは分業化しているので、すべてを管理するのは難しい。報告書の数字が整っていれば、まず疑うことはないため、不正があっても見抜くことは難しいんです」(住宅ジャーナリスト・山本久美子さん) 人手不足が原因との見方もあるが、『LaLa横浜』や三ツ沢のマンションが建てられた約10年前は、人手は十分足りていたと、住宅ジャーナリスト・榊淳司さんはいう。 「今回起きた問題のいちばんの原因はモラルの低下だと思います。手抜きではすまされない、犯罪ともいえるレベルです」 今後も同じような事件が起こらないという保証はない。被害にあわないためには、自分で欠陥を見抜くしかないが、方法はあるのだろうか。 「築10年くらいの中古マンションを購入する場合は、雨漏りの記録を調べることです。雨漏りはほとんどの場合、築10年以内で起こっています。2~3年で起こる場合が多く、最も早いと数か月。雨漏りが起きると管理組合が補修するので、総会議事録を取り寄せればわかりますよ。ただ、残念ながら新築の場合は見抜く方法はありません。だからこそ、保証のある大手ブランドを買う人が多いわけですね。中小デベロッパーだと、倒産しておしまいですから」(前出・榊さん) すでに住んでいるマンションに関しては、日ごろから注意深く観察することが大切だ。 「ひび割れやズレが出てくるパターンが多いんです。外観を含め日ごろから全体をチェックすることが大切ですね。異変を感じたら管理組合へ相談しましょう。管理組合がつねに活発に動いていることも大切ですね」(前出・山本さん) 『LaLa横浜』の住民は、連日会社側と話し合いを続けており、まだ結論には達していない。仮に全棟を建て替えるにしても、資産価値が下がることは否定できないという。 「建て替えが終わるのは、早くても4年か5年先のことですよね。もう東京オリンピックが終わって、日本全体の不動産価格がどんどん下がってくる時期です。ものすごい財産権の侵害だと思いますよ」(前出・榊さん)