2015年10月20日 19:21 弁護士ドットコム
「私たちは自由で公正な選挙を要求します」「私たちはミャンマー国民です。選挙権を奪うな」――。11月8日に予定されているミャンマーの総選挙をめぐって、日本に住む同国の少数民族「ロヒンギャ族」の人々が10月20日、ミャンマーの大使館がある東京都品川区の路上でデモ行進をおこなった。
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この日のデモには、未成年の子どもを含めて約30人が参加した。JR五反田駅近くの公園をスタートした一行は、ミャンマー連邦大使館前で、一際大きなシュプレヒコールの声をあげた。ミャンマー語で「(民主化の象徴で、最大野党の党首である)アウン・サン・スー・チーを守れ」と訴えた。
イスラム系少数民族のロヒンギャ族は、ミャンマー(ビルマ)とバングラデシュとの国境近くで暮らしている。だが、ミャンマー政府から長年にわたって「バングラデシュからの不法移民」などとして迫害を受けて、1982年には国籍を奪われた。その一部は「難民」などとして海外に移り住んでおり、日本でも群馬県館林市を中心に230人が、難民認定や在留特別許可などを受けて、生活している。
デモを主催した「在日ビルマロヒンギャ協会」のアウン・ティン会長によると、ロヒンギャ族は現在、選挙権もない状況だという。11月8日に予定されている選挙では、同国民主化の象徴であるスー・チー氏の率いる野党「国民民主連盟(NLD)」の躍進が期待されており、「選挙権を取り戻すことができる可能性がある」という。
アウン・ティン会長は「これまでで一番大事な選挙です。われわれは投票できないけれど、NLDが勝てば、ロヒンギャ族が国民として認められるかもしれない。そのためには、自由で公正な選挙ができるように、日本など世界からミャンマー政府に働きかけてほしい」と話していた。
(弁護士ドットコムニュース)