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女性客が牽引する秋の興行模様 絶好調『マイ・インターン』と、20億突破の『ヒロイン失格』

2015年10月20日 19:21  リアルサウンド

リアルサウンド

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 前回初登場1位の『図書館戦争 THE LAST MISSION』が、先週末の動員でも1位をキープ。しかし、土日2日間の動員13万351人、興収1億7381万9400円という数字は初週の約半分で、大きく勢いを落としている。同じく地上波テレビ局がガッツリと製作に関わっていて、客層が被りそうな作品として、今週末には三谷幸喜監督『ギャラクシー街道』の公開が控えていることもあり、このペースだと2年半前の前作『図書館戦争』を超えるのは難しそうな雲行きだ。


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 一方、2位の『マイ・インターン』は土日2日間で動員10万6352人、興収1億5190万6300円という結果に。ランキングも先週3位からアップして、動員前週比でも81%と好調が続いている。先週のコラムでも指摘したように、これは同系統の大人の女性向けの作品が同時期の公開作に少ないことが大きく影響しているはず。作品の評判も上々で、まだまだ数字を伸ばしそうだ。
 
 公開5週目の『ヒロイン失格』は先週末も4位で、遂に累計興収20億円を突破。今年、同系統のティーン女子向け作品で20億を超えたのは、『ビリギャル』(累計興収28.3億)、『ストロボ・エッジ』(累計興収23.2億)に続いて3本目。他に今年の実写日本映画で20億を超えている作品が『HERO』、『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』(前篇)、『暗殺教室』、『アンフェア the end』、『寄生獣 前篇』の5本しかないことを考えると、いかにこのジャンルが現在の日本映画において大きなポジションを占めているかがわかる。


 5位に初登場したのはキアヌ・リーブス主演のアクション作品『ジョン・ウィック』。169スクリーンという公開規模を踏まえれば仕方がないのかもしれないが、土日2日間で動員5万4639人、興収7855万9100円という数字は、アメリカ本国での大ヒットや作品の前評判の高さからすると少し物足りない。かつては、『マトリックス』シリーズや『スピード』シリーズによって数少ない「日本で確実に集客を見込めるハリウッド・スター」だったキアヌ・リーブスだが、女性ファンの減少が響いているのか、日本においては「完全復活!」とはいかなかった。


 『マイ・インターン』や『ヒロイン失格』の好調ぶりを見るにつけ、世代を問わず、外国映画/日本映画を問わず、やはり日本の映画興行を引っぱっているのは女性客だということがわかる。女性の皆さん、『ジョン・ウィック』も、今週末公開の『ヴィジット』もとってもおもしろいので、是非劇場に!(宇野維正)