ルノーが大規模なアップグレードを施した新仕様のパワーユニットを今週末のアメリカGPのために準備していることが分かった。今季初の本格的なアップグレードだが、トークンをすべて使ったわけではないと伝えられている。また、レッドブル・レーシングが新パワーユニットを搭載するかどうかはまだ定かではない。
今シーズン中に使用できる12トークンをルノーはこれまで全く使ってこなかった。段階的に改善するよりも一度に大きな向上を狙うとルノーは説明しており、そのアップグレード版パワーユニットの準備ができるのはロシアGPの後であると予想されていた。
アメリカGPが迫るなか、ルノーが12トークンの大部分を使用してアップグレードしたパワーユニットが今週末使用可能な状態であることが分かった。
ルノーは今回のアップグレードにおいてICEを集中的に改善、ターボに変更を加え、ダイナモ上で信頼性のチェックも行ったという。
しかしダニエル・リカルドもダニール・クビアトもすでにシーズン中に使うことが許されている数のエンジンを使い切っているため、新仕様のエンジンを搭載する場合にはグリッド降格ペナルティを受けることになる。そのため、レッドブルはパフォーマンス向上によるメリットと降格によるデメリットを考え合わせた上で、新エンジンを使うかどうかを決断しなければならない。
レッドブルがオースティンで新仕様のエンジンに交換しないと決めた場合、ルノーはロシアで搭載したエンジンを準備する。なお、トロロッソは今週末は新エンジンを搭載しない見込みだ。
今回のアップデートにおいてルノーはすべてのトークンを使用したわけではないとみられるが、最後の3戦で残りのトークンを投入する予定はなく、現在はあくまで来季のプランを念頭において開発を進めているといわれている。
ルノーはロータスF1チームを買収してF1にワークス参戦する計画を立てており、すでに基本合意には達しているが、正式契約には至っていない。
レッドブルはルノーに対して今季末での契約解消を申し出たものの、他のエンジンを確保できずにいる状況だ。ルノーとの契約を当初の取り決めどおり来季末まで行使するという道を選ぶしかないとの見方もあるが、どちらの側からもそういった交渉がまとまったという発言は聞こえてこない。
トロロッソは来季に向けてフェラーリから1年落ちのエンジン供給を受けるための交渉を進めている。