映画『アズミ・ハルコは行方不明』が2016年に公開される。
同作は、『ここは退屈迎えに来て』などの著書で知られる山内マリコが2013年に発表した同名小説が原作。独身OL・安曇春子が失踪し、女子高生ギャング団による無差別リンチ事件が起きている寂れた郊外の街を舞台に、安曇春子が姿を消す前と後の2つの時間を交差させながら、30歳前後、20歳、女子高生という3世代の女性の生き様を描く。
主人公・安曇春子を演じるのは、同作が2008年公開の『百万円と苦虫女』以来、約7年ぶりの単独主演映画となる蒼井優。『私たちのハァハァ』『自分の事ばかりで情けなくなるよ』などの松居大悟がメガホンを取る。
■蒼井優のコメント
30歳という伏目を迎えるこの年に、初めての同い年の映画監督、松居大悟さんに出会い、彼の頭の中にあるもの、やりたいと思っていることを信じる仲間たちと全力を尽くして撮影期間を駆け抜けました。スタッフ・キャスト、ひとりひとりが作品と向き合って、それぞれの思いを込めて作ったこの映画は、観て下さる方によって、全然違う楽しみ方や感じ方をうみだすような、どの角度からも観られても大丈夫な、強いものになっているはずです。観客のみなさんとの間にいい化学反応が起きること期待しています。
■松居大悟監督のコメント
こうして発表コメントを書いていることが幸せです。人の気持ちなしではここまで辿り着けませんでした。元々山内マリコさんの作品の匂いが大好きで、何冊も買って上京してきた人に勝手に配っていました。「アズミ・ハルコは行方不明」は、小さな地方都市の世代別ガールズムービーです。自分とプロデューサーと蒼井優さんは同い年で今年30才です。アラサーのハルコを行方不明になんかさせません。最高に最高で自由な作品にします。編集がんばります!
■山内マリコのコメント
20代の終わりごろに強く感じた、停滞感や苛立ち、言い様のないさみしさを、一人の女の子に託して物語にしました。その女の子を蒼井優さんが演じると聞いたときは、「完璧すぎる!」と震えました。自分の作品が映画になる喜びにも増して、蒼井優の主演作を観られるのが本当に嬉しいです(大ファンなので)。
またこの小説は、できるだけ早く、自分の中にちょっとでも20代の気分が残っているうちに書かなくてはと思った作品でもあります。それだけに、29歳の松居大悟監督に撮ってもらえるのは、本当にラッキーでした。この2人の代表作になるといいなと願っています。とにかく映画の完成が楽しみ!いち観客として、首を長くして待ってます。