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JRC第8戦:最終SSの接戦を制し、新井敏弘が今季5勝目

2015年10月19日 20:50  AUTOSPORT web

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JRC第8戦ハイランドマスターズ2015で優勝し、今季5勝目を飾った新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)
全日本ラリー選手権(JRC)は16日~18日、第8戦M.C.S.Cラリーハイランドマスターズ2015が行われ、新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)が勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)との接戦を制し優勝。今季5勝目を挙げた。

 第8戦ラリーハイランドマスターズ2015は、岐阜県高山市を舞台に開催されるイベントで、シリーズのなかでもっとも長い歴史を誇る。2007年まではグラベルラリーだったが、2008年からはターマックラリーでの開催となり、僅差のハイスピードバトルが繰り広げられる。今年は全12SS、総SS距離は87.84kmで争われた。

 17日のデイ1は、秋空のもとSS1~6が行われた。オープニングのSS1は前戦でJN6クラスチャンピオンを獲得した新井がトップタイム。勢いに乗る新井はSS2~5まで5ステージ連続でステージ1位を記録する速さをみせ、デイ1終了時点で総合2番手の勝田に対し、11.4秒のギャップを作ることに成功した。デイ1最終のSS6は、奴田原文雄/佐藤忠宜(ミツビシ・ランサーエボリューションX)がトップを奪取。奴田原はSS3でロワアームを破損し苦戦を強いられながらも、トップから15.3秒遅れの総合3番手でデイ1を終えている。


 前日と同様の好天に恵まれたデイ2では、前日の最終サービスでサスペンションのスプリングを変更した勝田がオープニングのSS7、8を連続で制し、総合首位の新井まで8.9秒差まで詰め寄る。総合トップの新井はSS9でベストタイムを記録し反撃するも、直後のサービスでアライメントの調整に失敗。この結果SS10、11で勝田から4秒以上遅いタイムに留まり、1.7秒差の僅差で最終SSを迎えることとなった。

 新井はSS12へ向かうリエゾン区間中にアライメントの修正。SS12で渾身のアタックをみせ、勝田を2.1秒上回るタイムでトップを死守。今季5勝目を獲得しシリーズチャンピオンの意地をみせつけた。2位に勝田が入り、3位には前日ロワアームを破損した奴田原がつけている。

 新井は「勝田選手に迫られていましたが、最終SSを全力でアタックし勝つことができました」とコメント。

「クルマの仕様も(第6戦)モントレー仕様の延長線上といった感じに変更し、方向性としては正解でした」

「ライン取りもタイトコーナーでは立ち上がり加速を重視したものに変えました。次戦の新城ラリーでも、この調子で頑張りたいと思います」

 JN5クラスはデイ1最後のSS6で上位陣が続々とリタイアする展開となったものの、終始安定した走りをみせた山口清司/山本磨美(トヨタ86)が今季初優勝。また、クラス2位に入った天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツGRMN)が有効ポイント制によりクラスチャンピオンを獲得した。

 そのほか、JN4クラスは横尾芳則/渡邉晴子(トヨタ86)が、JN3クラスは岡田孝一/鶴田邦彦(マツダ・デミオ)が優勝。JN2クラスは鈴木尚/山岸典将(スズキ・スイフト)が全12SSを制覇する圧倒的な速さでシリーズ初優勝を飾った。またJN2クラスのポイントリーダーである高橋悟志/箕作裕子(トヨタ・ヴィッツRS)がクラス2位となり、クラスチャンピオンを獲得している。

 シリーズ最終戦の新城ラリーは10月30日~11月1日に開催される。