スーパーフォーミュラ第6戦SUGOで、小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)は予選7番手からスタートし、6位で決勝レースを終えた。
今回、12年ぶりのSUGOでのレースとなった可夢偉。予選では間一髪でQ2を突破するも、Q3はトラフィックの影響もあり7番手となった。68周の決勝レースでは、ピットウインドウ的にも最小周回に近い10周をこなしたところでピットイン。給油のみを行い8.9秒のストップでコースへ復帰し、1分8秒台前半のタイムを並べて走行を続けた。ただ、上位陣もこの速さを意識するような形で26周目あたりからピットへ向かい、可夢偉の前方で復帰。これにより単独走行が難しくなり、作戦が崩れるとともにタイヤにも厳しい展開となってしまったという。
「単独で走って速くなるようにタイヤの内圧を設定していたのですが、上位陣が思った以上に僕たちに反応してきて、そこに詰まってしまって自分のペースで走ることができませんでした。彼らに追いつこうとした結果、リヤタイヤを無理させて傷めてしまい、辛かったですね」
また、レースの終盤約20周は、チームメイトの平川亮を1秒以内の僅差で従える形の接近戦に。「タイヤがなく、僕としてはもうヘロヘロでした。心の中で50回くらい『つらすぎる』と言っていました」と振り返った可夢偉。ただ、このバトルは意外な形で決着を迎えることになった。
「最終コーナーを上っているときにガス欠の症状が出ていました。抜かれてしまうと思っていたのですが、ミラーを見たら平川選手が見えずにJ-P(デ・オリベイラ)が来たので、『たぶん(平川選手も)同じ原因だろうな』と思いましたね」
これにより、可夢偉は6位でフィニッシュ。7位にはオリベイラが入り、「コントロールラインまでパワーがもたなかった」という平川は8位という結果となった。
「ずっと勝つためにやっているのですが、どれもうまくいかないんです。今日も、早めにピットインした後は速かったので、セーフティカーが出ていたら勝っていたかもしれません。今回は予選結果が悪かったのでそういうやり方をしましたが、うまくいかなくても最低限なんとかポイント圏内で帰ってこられることは分かりました。そこはポジティブに捉えながら、鈴鹿には勝ちにいくつもりで臨みたいと思います」と今回の総括とともに、鈴鹿への意気込みを語った。
今シーズンここまで、今回のSUGOのようにフォーミュラトヨタ以来のレースとなるコースや、一度もレースをしたことがなかったオートポリスでのレースなどを戦ってきた。最終戦の舞台となる鈴鹿は、今季開幕戦でも戦っているほか、F1での経験も豊富だ。
「正直なところ、第1戦があまり良くなかったので、なんとも言えない部分もありますが、今回も予選ではトラフィックがなければトップ3くらいにはいけていたと思う。そういう意味では、安定してそのレベルにはつけられているということ。もう少し自信をもって、今日また勉強したことを鈴鹿で活かすことができればいいなと思います」