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全日本F3選手権 第17戦決勝:ニック・キャシディが完勝。参戦初年度で王座獲得

2015年10月18日 15:20  AUTOSPORT web

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全日本F3選手権SUGO 2連勝を飾り、シリーズチャンピオンの座を獲得したニック・キャシディ(PETRONAS TOMS F314)
全日本F3選手権は18日、スポーツランドSUGOで今季最終戦となる第17戦の決勝レースが行われた。ニック・キャシディ(PETRONAS TOM'S F314)が2戦連続でポール・トゥ・ウインを飾り今季のチャンピオンを獲得した。F3-Nでは小河諒(KeePer TOM'S F306)が今季14勝目を飾った。

 キャシディは前日にポール・トゥ・ウインを決め、山下健太(PETRONAS TOM'S F312)との差を10ポイントに広げ、5位以上のチェッカーでチャンピオンが決まる有利な状態で最終戦を迎えた。

 第17戦もポールポジションスタートのキャシディがホールショットを決めると、ルーカス・オルドネス(B-MAX NDDP F3)も前日のようにイン側からアウト側にマシンを寄せる形で1コーナーに飛び込む。すると、3番手スタートの関口雄飛(B-MAX RACING F312)とオルドネスは両者が並んで1コーナーへ進入。1コーナーから2コーナーにかけてどちらも譲らない展開のまま、ふたりは少し接触。アウト側にいた関口は大きく膨らんでしまい6番手にまでポジションを落としてしまった。

 これで大きくライバル達を引き離したキャシディはオープニングラップで2秒565のマージンを築くことに成功した。その後も、2番手以下は1秒間隔で7台が数珠つなぎ状態のバトルを展開。すると5周目のレインボーコーナーで6番手の福住仁嶺(HFDP RACING F312)が縁石に乗り上げマシンが跳ね上がり、その隙に後ろの関口に交わされ7番手にポジションを落としてしまった。

 トップのキャシディはハイペースで周回を続けると、9周目にはライバルとの差を6秒以上に広げて独走状態。13周目にはファステストラップを刻むなど圧倒的な速さを見せた。

 レース中盤以降も2番手以下は僅差のバトルが展開されており、13周目の1コーナーでは5番手の石川京侍(TODA FIGHTEX)と関口、16周目のホームストレートでは2番手のオルドネスと山下というようにバトルが繰り広げられるも、それぞれポジションは変わらない状態が続いた。

 順位に動きが出たのは、レース終盤に差し掛かる23周目のバックスストレート。山下がオルドネスを交わそうとラインを変えた先にバックマーカーがいて減速。その際に、後方から高星明誠(B-MAX NDDP F3)が山下の前に出て3番手に浮上した。

 結局トップのキャシディは最後までペースを緩めずに、2番手のオルドネスに19秒以上の差をつけ2戦連続ポール・トゥ・フィニッシュ。2位にはオルドネス、3位に高星とB-Maxがダブル表彰台獲得なった。
 これで全日本F3選手権のドライバーズタイトルはキャシディが獲得。この週末だけで、優勝2回、ファステストラップ2回、ポールポジション2回と最高得点の24ポイントを積み上げ、今季のシリーズチャンピオンの座を獲得した。

 F3-Nでは、小河がスタートをうまく決めるも、チャンピオンクラスの山口大陸(タイロク・ハナシマ28号)には交わされてしまうが、三浦愛(EXEDY RACING F307)、DRAGON(B-MAX RACING F308)を従えながら周回を重ねる。

 後半にかけて、ペースを温存していたと会見で話していた小河は、最終的に山口にコンマ5秒にまで迫るペースで周回してそのままトップでチェッカー。2戦連続で優勝を飾った。2位には三浦、3位にDRAGONと前日と同じ顔ぶれの表彰台となった。

ドライバーズランキング1位
ニック・キャシディ(PETRONAS TOM'S F314)
「今日は理想的なスタートを決めることができました。この週末の2レースともいいスタートで、最終戦ですがスタートの切っ掛けを掴めたと思います。最初の2・3周はタイヤを温存して走り、レース中盤からプッシュ。このコースは走っていても楽しいので、最後まで気持ちよく走れました」