ホッケンハイムで開催されているドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)最終ラウンド。17日に行われた第17戦は、2番手スタートのティモ・シャイダー(アウディRS5 DTM)が勝利した。注目のチャンピオン争いは、パスカル・ウェーレイン(メルセデスAMG C63 DTM)がライバルたちよりも上位の8位に入り、最終戦を待たずにDTMの新チャンピオンに輝いた。
最終ラウンドを前にチャンピオン争いは、ウェーレイン、エドアルド・モルタラ(アウディRS5 DTM)、マティアス・エクストローム(アウディRS5 DTM)、ブルーノ・スペングラー(BMW M4 DTM)の4人に絞られた。
ランキング2位のモルタラに37ポイント差を付けて最終ラウンドに挑んだウェーレインだったが16日のプラクティスからタイムを上げられず苦戦。予選でも13番手に留まる。
予選でポールを獲得したのはマキシム・マルティン(BMW M4 DTM)、2番手にシャイダー、3番手は前戦で初優勝を遂げたミゲル・モリーナ(アウディRS5 DTM)が続いた。チャンピオン争いをするエクストロームは7番手、モリーナは9番手、スペングラーは18番手となった。
40分+1周で争われる土曜日のレース。マルティンが好スタートでトップをキープしシャイダーが続く。スタートで遅れたモリーナを交わしたポール・ディ・レスタ(メルセデスAMG C63 DTM)とジャミー・グリーン(アウディRS5 DTM)が3番手を競り合う。
シャイダーはマルティンを2周目のヘアピンで攻略しトップに浮上する。5周目にセーフティカーが入りリードは一旦消えたものの、リスタート後も後続を寄せ付けず今季初優勝を挙げた。2008、2009年の王者シャイダーの勝利は、2010年第10戦以来となる。2位は9周目にマルティンを攻略したグリーンが入り、3位はマルティンとなった。
チャンピオン獲得には2連勝が条件だったスペングラーは18番手から9番手まで順位を上げていたが、エイドリアン・タンベイとの接触でドライブスルーペナルティを科され、最後はマシントラブルでピットインし19位に終わった。
ランキング2位のモルタラにも不運が重なる。上々のスタートを切り、7、8番手を走行していたがモリーナとの競り合いでタイヤをパンクさせ緊急ピットインで後退。11周目にティモ・グロックを押し出しドライブスルーペナルティを科せられ、17周目にピットインしそのままリタイアとなった。
7番手スタートだったエクストロームは1周目にラインを外し14番手まで下がると3周目にロバート・ウィッケンスに押されスピン。スタートで18番手まで後退していたウェーレインにも前に行かれてしまう。
ウェーレインは徐々に順位をアップさせていき8位でフィニッシュ。エクストロームも挽回したが9位に終わり、メルセデスのF1リザーブドライバーも務める期待のドイツ人ドライバーが、21歳の誕生日前日にDTM王者に輝いた。