英AUTOSPORTが2015年ロシアGPを戦った全ドライバーを10点満点で評価、ポールポジションからレースをリードしながらマシントラブルによって勝利の可能性を失ったニコ・ロズベルグに満点を与えた。9位入賞を果たしたマクラーレン・ホンダのジェンソン・バトンにも高い評価が与えられている。
メルセデスのロズベルグはロシアの週末は一貫して僚友ルイス・ハミルトンより速さを発揮、予選Q1からQ3まですべてトップに立ち、最終的にハミルトンに0.3秒以上の大差をつけてポールポジションを獲得した。決勝でもスタートをうまく決めてリードを保って走っていたが、スロットルペダルのトラブルでわずか7周でリタイアせざるを得なかった。このレースをノーポイントで終えることになったロズベルグは、ドライバーズチャンピオンシップを獲得するチャンスをほぼ失うこととなった。
「走り切っていればロズベルグは必ずや優勝していただろう。それ以外の結果は考えられない」と寸評には記されている。
「予選を通してチームメイトより速く、今季3回目のポールポジションを圧勝でつかんだ」
「決勝ではスタートをうまく決め、ターン2までをうまくしのぎ切った。これで優勝をほぼ手中に収めたはずが、スロットルペダルのトラブルが彼の努力をすべて無にした。そればかりかタイトル獲得のチャンスすらもほとんど奪い去る結果になった」
9点の評価が与えられたのはバルテリ・ボッタス、ジェンソン・バトン、セルジオ・ペレス、フェリペ・ナッセの4人だった。
ウイリアムズのボッタスは予選でメルセデス勢に次ぐ3番手を獲得。レース中にポジションを落としたものの終盤再び3位に浮上、しかしキミ・ライコネンとのクラッシュで表彰台を失った。
「予選の走りはずば抜けて素晴らしかった。序盤にポジションを落としたものの全般的に素晴らしいレースをした。しかし終盤ペレスをなかなか抜けず、そのためライコネンが接近、その結果、最悪の出来事が起こった……」
フォース・インディアのペレスは予選7番手を獲得。決勝では2回目のセーフティカー出動時の12周目にタイヤ交換を済ませ、そのタイヤでレースを走り切った。終盤3位に浮上、いったんはボッタスとライコネンに抜かれて5位に落ちたものの、ふたりの接触で最終ラップに3位を取り戻し、表彰台を手にした。
「ペレスはVJM08を非常にうまく乗りこなし、最近見事なパフォーマンスを見せている。リスキーな戦略がうまく機能したが、ペレスがうまくコントロールして走ったからこそ予想外の結果を出せた。最終ラップのボッタスとライコネンの接触も助けになった」
ザウバーのナッセは予選12番手を獲得、決勝では順調に順位を上げていき、6位でフィニッシュ、キャリアベストであるオーストラリアGPの5位に次ぐ結果を出した。
「エンジニア変更とセットアップ改善が奏功した。決勝中、ウイリアムズのフェリペ・マッサと激しく戦ったが、ピットストップの時期が少し遅れたことで順位を落とした。しかしデビュー戦のオーストラリアに次ぐ、素晴らしいレースであり素晴らしい結果だった」
マクラーレン・ホンダのバトンは予選Q2に進出し13番手を獲得、マシンとの相性のよくないコースで9位入賞を果たし、9点の評価を与えられた。
「今回バトンは見事なパフォーマンスを見せた。特に予選が素晴らしく、ロータス1台とウイリアムズ1台を上回り、チームメイトにはコンマ4秒という大差をつけた」
「ホンダのERSデプロイメント面の弱さは改善されておらず、ストレートで他のマシンに簡単に抜かれていき、『まるで防御ができなかった』とバトンはレース後に振り返っている」
「しかしマクラーレンは少なくとも戦略上は最大限の仕事を成し遂げたとバトンは感じている。それによって他車のリタイアも手伝って入賞を果たした」
一方、チームメイトのフェルナンド・アロンソは、予選は16位でQ1敗退。パワーユニットのエレメンツ交換で19番グリッドからスタートし、10位で完走したものの、トラックリミットを守らなかったために5秒のタイム加算ペナルティを受け、11位に降格された。今回アロンソに与えられた評価は6点にとどまった。
「Q1で敗退したアロンソは、ホンダのエンジンは予選で『十分な速さがなかった』と言った。しかしバトンはQ2に進出しているため、アロンソの予選パフォーマンスに関しては減点する」
「決勝ではスーパーソフトで40周を走り切り、バトンについていったが、戦いを挑むには至らなかった。ターン16のコーナーをカットし、不注意にトラックリミットを破ったことで1ポイントを失った。これも減点の対象になる。ロシアの週末ではいつものレベルのパフォーマンスを発揮していなかった」
英AUTOSPORTによる2015年第15戦ロシアGPでの各ドライバーの点数は以下のとおり(10点満点)。
■メルセデス
ルイス・ハミルトン:8点
ニコ・ロズベルグ:10点
■レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド:8点
ダニール・クビアト:7点
■ウイリアムズ
フェリペ・マッサ:7点
バルテリ・ボッタス:9点
■フェラーリ
セバスチャン・ベッテル:8点
キミ・ライコネン:6点
■マクラーレン
フェルナンド・アロンソ:6点
ジェンソン・バトン:9点
■フォース・インディア
ニコ・ヒュルケンベルグ:4点
セルジオ・ペレス:9点
■トロロッソ
マックス・フェルスタッペン:7点
カルロス・サインツJr.:8点
■ロータス
ロマン・グロージャン:5点
パストール・マルドナド:6点
■マノー・マルシャ
ウィル・スティーブンス:6点
ロベルト・メリ:8点
■ザウバー
マーカス・エリクソン:6点
フェリペ・ナッセ:9点