大学生の就活ルールが、また見直されるようだ。日本商工会議所の三村明夫会頭は10月15日の記者会見で、採用選考の解禁を今年より2か月前倒しして来年6月に繰り上げるよう政府や経団連に見直しを求めることを表明した。
16年卒の選考開始を大学4年の4月から8月にずらしたことで就活が長期化。三村氏はこれを「想定しなかった」とした上で、「このままで継続するのはまずいので、勇気をもって改定を提案した」と述べたが、就活生は憤懣やる方ないようだ。
16年卒から怒りの声「ごめんなさいって謝ってほしい!」
今年の「後ろ倒し」は導入前から不評で、見直しをするなら「4月に戻すべき」「いや3年の3月にまで早めるべき」といった意見も早くからあった。しかし今回の見直しは、4月と8月の間を取ったような中途半端な形となっている。
このため「2か月の前倒しというのが一番みんなに優しい」という三村氏の発言についても、すべての学生に優しいという意味ではなく「政府や経団連の顔も立てたのだろう」という憶測が流れ、ネットには冷ややかな笑いが漏れている。
「ごめん笑ってしまった。学生時代に就活させないことが一番優しいんじゃないの」
しかし問題ありとされたスケジュールに巻き込まれた16年卒の学生は、笑いごとでは済まない。「今年完全に生贄だったな」「私たちは実験台か」と憤る人のほか、散々振り回されて苦労させられたことに対する謝罪を求める声もあがっている。
「16卒に対して何らかのフォローと謝罪を公式にしろポンコツが」
「16卒のやり方は失敗でしたごめんなさいってちゃんと謝ってほしい!」
「年明けから一気に就活が始まるのかな」との焦りも
もし6月への選考前倒しが実現すると、広報活動も大学3年の3月から2か月前倒しになり、1月から開始される可能性がある。そのため17年卒の学生たちからは「年明けから一気に就活が始まるのかな」「まだなにも準備してねぇ」という焦りの声も聞かれる。
「もうやめようや笑 周りの人たちの就活見てても(倫理憲章の解禁時期を)守ってる企業なんてほとんどなかったよ」
と呆れる声もあるが、来年以降も懲りずに見直しが続きそうな雰囲気だ。
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