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乃木坂46・高山一実&深川麻衣が『ソニレコTV』卒業 2年間の成長の軌跡を振り返る

2015年10月16日 16:51  リアルサウンド

リアルサウンド

10月5日放送分、『ソニレコ!暇つぶしTV』収録現場のオフショット。

 乃木坂46の高山一実&深川麻衣が2年間MCを務めたソニーミュージックのYouTubeプログラム『ソニレコ!暇つぶしTV』を、10月5日の番組2周年記念生配信をもって卒業した。2年前の10月、2人は男性シンガーKとともにこの番組(当時は番組名すらなかったが)をスタート。


 ネットならではのユルさと3人のどこか噛み合ってないようなトーク、そしてその調和が生み出す不思議な空気感は次第に多くの視聴者から支持を集めるようになり、昨年9月には番組1周年を記念して富士急ハイランドでの公開収録も実施されたほどだ。


 2年前の彼女たちというと、6thシングル『ガールズルール』をリリースし、初の全国ツアー『真夏の全国ツアー2013』を終えたばかりの頃。グループとしてもそれ以前より一段高いステージへと到達した時期だったが、トークに関しては当時の高山と深川は今のような安定感は足りなかったと記憶している。今ではトーク番組に欠かせない高山も現在みたいなバランス感が足りず、特にソニレコTVのような“外仕事”になると恐縮してしまい、空回りする傾向にあった。深川にしてもデビュー当初から言葉数が少なかったし、決して積極的に前に出るタイプではない。そんな2人がトーク番組のMCに抜擢されたと聞いたとき、正直なところ筆者は「大丈夫か……?」と内心思っていた。


 番組開始時はMCの乃木坂46メンバーも不定期ながら交代していく、という話があったと記憶している。2人が結果を出せなければいずれそうなるのだろう、そう密かに思っていたのだが……結果はご存知のとおり。それどころか、2人はこの番組を通じてトーク力、そして自分の見せ方に磨きをかけていった。


 一緒にMCを担当したKは番組当初から高山の天然ぶりに気付いており、毎回いい具合に彼女をいじり続けた。もちろん初期はすべてがうまく機能していたとは言いがたいが、その噛み合わなさも次第に微調整されていく。特に番組にゲストが出演するようになった2013年12月の配信以降、回を重ねるごとに高山はトーク力を付けていく。


 しばらくはゲストに助けられた部分も大きかったが、特に番組開始から半年を過ぎた頃から彼女自身の意識が変わったのも大きいのではないだろうか。これはKが言っていたことだが、番組開始からしばらく経った頃に高山が「ゲストに質問をしているときに、次の進行もしなくちゃいけない。そういうときは、台本をいつ見ればいいんですか?」と質問したという。事実、その頃から彼女の番組進行がどんどんスムーズになっており、それと同時に単独でテレビのバラエティ番組に出演することも増えている。そういったチャンスや経験を経て、高山は今の才能を開花させたと言える。


 もちろんこれは深川にも言えることで、普段は口数の少ない彼女も番組では次第に積極的に発言するようになる。そしてKと高山の暴走気味なトークをフォローしたりうまくまとめたりする技術も身に付け、しまいにはKに対して若干S気味な発言をする場面も見受けられた。これはKや番組スタッフに対する信頼の表れであると同時に、リラックスした環境の中だからこそ出せたものなのかもしれない。特に高山が番組を欠席した際には、深川なりに高山の役割を果たそうとする姿勢すら見受けられ、頼もしさを感じたものだ。


 そんな2人が初めて挑んだ10月5日の生配信。番組冒頭では「普通に緊張する」とこぼしていたものの、徐々にリラックスしていく。高山と深川、そしてKは過去2年間の歴史を振り返りながら、それぞれもっとも思い出に残っているシーンを紹介。高山と深川はそれぞれ富士急ハイランドでのロケを挙げ、高山は戦慄迷宮での自身の絶叫シーン、そして深川はFUJIYAMAやドドンパといった絶叫マシーンでの場面を爆笑しながら楽しんだ。


 番組後半になると、ついに高山&深川から重大発表としてこの日の番組をもってソニレコTVのMCを卒業することを報告。Kが「(今後は)俺1人でやるの?」とツッコミを入れると、高山が「実はKちゃん1人だと寂しいと思うので、2代目MCをお呼びしてます」と言って、スタジオの隅にいた同じ乃木坂46のメンバー、中元日芽香と能條愛未を呼び込む。この日のシークレットゲストとして番組に呼ばれていた2人はこのことについてまったく知らされておらず、キョトンとした表情のままカメラにフレームイン。まだ状況を掴みきれていない能條は、「生放送だよとしか聞かされてなくて。まいまい(深川)からは『(今日は2周年で)パーティーだよ』って言われてた」と口にしてMC陣やスタッフの笑いを誘った。その後は初代MCの「Kaz(高山)」「まい様(深川)」にならって、新MCの「ソニレコネーム(番組内でのニックネーム)」を決めることに。ここで中元は「おひめちゃん」、能條は「じょ~ん」として11月から番組で活躍することとなった。


 続いて、卒業する2人に向けて過去の番組ゲストからお祝いメッセージ映像が紹介される。加藤ミリヤ、UVERworld、乃木坂46の松村沙友理、西野七瀬、若月佑美といった面々からのメッセージにスタジオが和んでいると、高山も大ファンのLittle Glee Monsterがお祝い映像で新曲「好きだ。」の歌詞を「Kazが好きだ、まい様が好きだ」に変えてアカペラを披露した。これには高山も感涙。さらに深川が大好きなmiwaからのお祝い映像も流され、卒業する2人は改めてメッセージをくれたアーティストたちに感謝の言葉を送った。そしてKから「とある男性から生電話が入っています」と告げられると、スタジオ内にはどこかで聞き覚えのある口調の男性の声が流れ出す。すると高山の顔色が急変し、一気に涙が引いていく。実はこの男性は高山の実父で、当の高山は「『もしもし』の一声でわかった」と苦笑いした。Kが「乃木坂46の推しメンは誰ですか?」と質問すると、てっきり高山の名前が挙がると思っていたところ、予想外の「松井玲奈」という回答に、スタジオ中が大爆笑。唯一高山のみが「なんで最終回にお父さん?」と苦笑いした。


 いよいよ番組も佳境へ。番組を卒業する2人にとってソニレコTVとはどんな番組だったかと聞かれると、高山は「月に1回の収録が楽しくて。ファンの皆さんも楽しみにしていて、こんな幸せな番組ってあるんだなって思いました」、深川は「ここまでのびのびとやらせてもらえる番組ってないんじゃないかな...2年間、ゲストもたくさん来て、毎回刺激を受けたし、メチャクチャ楽しい2年間でした」と涙ながらに語った。そしてファンやK、番組スタッフへのメッセージとして、2人は事前に用意してきた手紙を読み上げ、新MCの2人が花束を渡してクライマックスを迎えた。ここで「何度目の青空か?」のMVが流され番組は終了したかと思われたが、MV終了後に再びカメラはスタジオ内を映し出す。すると電子ピアノの前に座ったKが、卒業する2人へのお祝いメッセージと「今後のためを思った」クレームを伝え、高山と深川を苦笑いさせた。さらに今の2人にぴったりな曲として、自身の楽曲「dear...」をピアノで弾き語り。号泣する高山と必死に涙をこらえる深川を前に、Kは感情を込めて歌い上げた。この状況に中元と能條ももらい泣き。最後は新MCも意気込みを語りつつ、笑顔で初のソニレコTV生配信、そして高山&深川にとって最後のソニレコTVを終えた。(西廣智一)


 番組終了後、高山と深川は以下のようなコメントを寄せてくれた。


・高山一実からのコメント


 ふと考えたんですけど、この番組の収録は1カ月に1回だから、単純計算したら2年で24回しかスタッフの皆さんに会ってないんです。でもたった24回しか会ってない皆さんのことがこんなに好きだし、今日もいろいろお祝いしていただいたし、番組最後の映像とか観てもすごく愛されてるなと思ったし、本当に素敵な時間だったなと思いました。何回か番組をお休みしたことがあったんですけど、この後もずっと出られると思ってたからそれだけが悔しくて。いろいろ申し訳ないと思うこともあるんですけど、そのぶん今度はゲストとして番組に戻ってきて盛り上げられたらと思います。皆さんのことがめっちゃ好きだし、また今よりも大きくなって遊びに来ます!


・深川麻衣からのコメント


 私はこの2年間、一度も番組を休まなかったんですよ。皆勤賞です! 私にとっては、この番組ではかずみんが盛り上げてくれることがすごく大きくて。私は番組に何も貢献できてないんじゃないかなと思うこともあったんですけど、かずみんとKちゃんが楽しそうにやってるのを、せめて少しでもまとめられることができたらいいなと思って続けてきました。でも本当にすごくいろんな経験をさせてもらってますよね。豪華なゲストさんがたくさん来てくれたし、ロケでいろんな場所にも行けたし、めっちゃ濃い2年間でした。私、今日はこんなに泣く予定じゃなくて(笑)。最初に(番組を卒業することを)聞いたときに泣いちゃったので、今日は我慢しようと思ってたんですけど、自然と涙が出て来ちゃうくらい、自分にとって大切な番組だったんだなと実感しました。今もすごく寂しいですけど、愛未もひめたんもしっかりしていて安心して任せられるので、またどこかのタイミングに遊びに行く機会があればいいなと思ってます。


 そして新たにソニレコTVのMCに就任した中元&能條も、下記のような意気込みを語ってくれた。なお、2人が新MCとして番組に初登場するのは、11月の配信から。高山&深川がそうであったように、中元&能條もこの番組を通じてそれぞれの個性やトーク力に磨きをかけてくれることだろう。今は高山&深川の今後のさらなる飛躍、そして中元&能條の成長を楽しみにしたいと思う。


・中元日芽香からのコメント


 私は愛未ちゃんみたいに面白いことが言えないので、番組の盛り上げ役やムードメーカーを愛未ちゃんにお任せして(笑)。今日少しだけ参加しただけでも本当に素敵な番組だなと思いましたし、この番組に携われるのがすごく嬉しいので、2人(高山、深川)の後を継いで頑張りたいと思います。私も愛未ちゃんも歌うことが好きなので、Kちゃんといつか3人で番組で歌えたら楽しいな、なんて今から考えてます。とにかく頑張ります!


・能條愛未からのコメント


(MC就任は)本当にサプライズだったのでガチでビックリしたんですけど、今まで番組MCというのをまったくやったことがないぶん、今は「どうなるんだろう?」って感じで。でもひめたんが一緒にいることは、すごい心の支えになってます。番組のスタッフさんもすごく素敵な人ばかりと聞いてますし、絶対に楽しくなると思うので、ひめたんとKちゃんと一緒に3人で盛り上げていきたいなと思います。