アマゾンが10月13日から「当日お急ぎ便サービス」を開始した。「当日お急ぎ便」(1回あたり514円)の対象商品を注文すると、その日のうちにファミリーマート約7100店舗で受け取ることができるというもの。
会員制プログラム「Amazonプライム」(年会費3900円)に入会している場合には、追加料金なしで利用できる。ネット通販の当日配達は楽天やヨドバシカメラでも行っているが、コンビニで即日受け取れるサービスは初めてだ。
「荷物は休みの日しか受け取れない生活」を打開
このニュースが流れると、ネットには「これはすごい」「これかなり嬉しいな」と驚きの声があがった。特に歓迎しているのは、長時間労働をしているサラリーマンだ。
これまでネット通販で商品を注文しても、平日の帰宅は夜遅くになるので受け取れることができない。配達日を週末に指定するしかなくなるため、せっかく「当日配達」の新サービスが登場しても利用が難しかった。
どうしてもすぐに受け取りたい場合には職場宛に送ってもらうことになるが、その場合には会社の総務部などの手を煩わせることになり、あまりにたびたび頼んでいるとヒンシュクを買ってしまう。あからさまな趣味の商品も受け取りにくい。
「これは素晴らしい。仕事帰りにコンビニで受け取れるのはうれしい」
「荷物は休みの日しか受け取れない生活しているのでこれは助かります」
「会社で受け取れない事多い時とか便利。便利」
しかし、中には「自宅付近、会社付近にファミマがない…」と嘆く人もいた。サービス開始当初の対象地域は関東・関西・東海・九州地方が中心となっている。その地域の人口1万人あたりのファミマの数を都道府県別に計算すると、東京の1.5軒、鹿児島の1.4軒、大阪の1.2軒などが上位で、比較的利用がしやすそうだ。
その一方で、人口1万人あたり0.5軒の岐阜や0.6軒の群馬、0.7軒の兵庫や奈良、0.8軒の埼玉や愛知といった下位の県では、サービスを利用しにくい人もいるかもしれない。もっともこの手のサービスはコンビニ側にもメリットが予想されるため、他のチェーンにも波及しそうではある。
「再配達」が減れば配送現場の負担が軽くなるかも?
アマゾンの利用者にとっては利便性が向上する反面、配送現場やコンビニ側での負担を心配する声も。運送業に従事していると思われる人からは、こんな声もあがる。
「アマゾンの単価上げてくれないと配達する方は困る。荷物だけ増えて人員は増えないとかもうやってる方はみんな限界だよ」
その一方で、平日に在宅していない人に対する「再配達」が減るため、かえって負担は減るのではないかという見方もある。
国交省が今年6月に開催した検討会の資料には、宅配便の配達において2回以上の再配達が約2割発生していることが指摘されている。「コンビニ受取」の普及で再配達が減り、ドライバー不足が深刻化する配送現場での省力化につながる可能性もある。
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