2016年F1においてマシンのサウンド向上を目指す動きのなかで、FIAは新たな規則を正式に発表した。この規則変更により、来年はすべてのマシンは2本あるいは3本のエキゾーストを備えなければならなくなった。
2014年からF1に1.6リッターV6ターボのパワーユニットが導入されて以来、F1サウンドに迫力がなくなったという批判が目立っていた。F1上層部はファンの増大を目指し解決策を検討するなかで、エキゾーストレイアウトを変更することを決めていた。
9月末、FIAは「2016年には全車が別個のウェイストゲートテールパイプを備えなければならない」「この措置はマシンのサウンドを高めるために取られるものであり、パワーや排出に大きな影響は一切及ぼさない」との発表を行っていた。
13日、FIAは2016年F1テクニカルレギュレーションを発表、5.8.2条にエキゾーストシステム変更の内容が盛り込まれていた。
来年はターボのタービンのテールパイプひとつとウェイストゲート用の小さなテールパイプひとつかふたつをマシンに備えなければならない。ウェイストゲートはエキゾーストシステムの圧力リリーフバルブで、マシンのECUにより油圧でコントロールされ、排気ガスが過給圧とターボの回転数を過度に上げることがないよう調節する。
エキゾーストテールパイプが分かれることによって、エキゾーストサウンドも分かれ、これまでよりも大きな音になるというよりはいい音が聞こえるようになるものと予想されている。ただ、コース上でのテストはまだ行われておらず、実際に確認するのはこれからということになる。
FIAは規則で追加のテールパイプ出口の位置を現在のエキゾーストと同じ場所に定め、排気を空力効果向上に役立てるエキゾーストブローイングの復活を防ごうとしている。