エイドリアン・ニューエイは、レッドブルがF1から追い出されることになるのではないかと危惧している。
4度のドライバーズ/コンストラクターズチャンピオンを獲得しているレッドブルだが、現在のパートナーであるルノーに見切りをつけ、2016年のパワーユニット獲得のためにメルセデスやフェラーリと交渉していた。しかし、メルセデスは供給を拒否。フェラーリも難色を示しているが正式な結論は、まだ出ていないようだ。
ニューエイは、レッドブルがメルセデスもしくはフェラーリのパワーユニットを手にすることによって、再び彼らの脅威になるのではないかという考えが、供給に歯止めをかけているのではないかとコメントした。
「メルセデスもフェラーリも、パワーユニットを供給することで我々が復活することを恐れている。残念ながら、我々とルノーの関係は終焉を迎えた。そのため、来年以降のパワーユニットがない状況だ。我々はF1から追い出されようとしている」
またニューエイは、パワーユニットのパフォーマンスに依存する現在のF1に対して、FIAがそれを防ぐ手立てを講じることも必要だと述べている。
「レギュレーションによって、パワーユニットによる格差が少なくなるようにバランスをとることはできる。しかしFIAは、それを行う気がないようだ。すべてのチームが同じくらいのパフォーマンスを持つパワーユニットを手に入れられる状態へと戻らなければならない。数パーセントの差は仕方ないとしても、そこで10パーセント劣っていたら、非常に大きな差となってしまう。エンジニアとしては、チームが独創性と想像力によって利益を得られるようにシャシー側のレギュレーションを、より柔軟にしてもらいたい」
なお、レッドブルのオーナーであるデートリッヒ・マテシッツはチームがF1に残るかどうかについて、10月末までに返答しなければならないことを示唆している。
姉妹チームのスクーデリア・トロロッソは2015年型のフェラーリのパワーユニットを使用する方向で調整が進められているが、実現には多くのハードルをクリアしなければならない状況。またレッドブルは、F1撤退となればトロロッソも一緒に引き上げる意向を示しており、両チームの展望はいまだ見えない。