トロロッソが来季に向けてフェラーリとのパワーユニット供給契約に近づいていることが分かった。トロロッソは2015年版エンジンを受け入れる考えだという。しかしフェラーリから最新エンジンの供給を拒否されたといわれているレッドブルは、F1から撤退する場合はトロロッソも引き上げるとの考えを示している。
レッドブル・レーシングとトロロッソは2016年末までルノーとのエンジン契約を結んでいるものの、ルノーとの関係は悪化し、今季末で契約を解消するべく交渉を進めている。
エンジン供給に関してメルセデスとは合意に至らず、フェラーリと交渉を行ってきたレッドブルは、ワークスチームと同等のパワーユニットが供給されてトップ争いができる状態でない限り、F1から撤退すると公言。1年落ちのパワーユニットの提供を提案するフェラーリとの話し合いが進んでいないとみられていた。ロシアGPの週末には、フェラーリがレッドブルに対して最新仕様のパワーユニットの供給はしないという決断を下したと広く報じられた。
一方で、トロロッソは型落ちエンジンの供給を受け入れる考えであり、フェラーリとの交渉が進んでいるようだ。ただし、1年遅れのエンジンを使用するには現在の規則が変更される必要がある。テクニカルレギュレーション付則4には、各マニュファクチャラーは1シーズンの中で承認を受けたパワーユニットの1仕様しか供給することを許されないと記されている。今年のマノーが昨年型フェラーリPUを使っているのは特別な措置によるものだ。
しかしこの規則を変更して1年落ちのエンジンの使用を認めるべく協議が進められており、次回のF1コミッションを経て、その後12月のFIA世界モータースポーツ評議会が承認すれば正式に規則変更が決まる。
レッドブルには現在の契約に従って来年もルノーエンジンを搭載する道しかないように思われるが、契約の早期解消はレッドブルが申し入れたことであり、今季たびたびエンジンを激しく批判してきたレッドブルを助けることにルノーは抵抗を感じているという。
ドイツのWelt紙は、レッドブルのモータースポーツアドバイザー、ヘルムート・マルコが、レッドブルが撤退する場合はジュニアチームのトロロッソも引き上げると述べたと伝えている。F1上層部はロシアGPの週末に続いて今週も引き続きレッドブルのエンジン問題に関する緊急会議を行うと同紙は報じている。