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ルパン三世がテレビシリーズで復活! その背景にある「パチンコマネー」に思いを馳せる

2015年10月13日 19:00  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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何をするにも、お金がかかるもの。テレビ番組を作るにも、それなりの物を仕上げるとなると、相応のコストはかかってくる。

今月から「ルパン三世」の新作テレビシリーズが始まった。第1話は「ルパン三世の結婚」(日本テレビ系)。冒頭からルパンが白いタキシードに身を包み、若い女の子とチャペルに立っているシーンは、なんだか新鮮な気持ちにさせられた。

僕自身は旧作テレビシリーズを再放送を観て育った世代。いまやレギュラーメンバーも次元を除き全員が声優交代となって久しいが、スペシャル版のアニメで既に何度か演じているだけあって、違和感も少なかった。(文:松本ミゾレ)

アニメ・特撮分野で際立つパチンコマネーの存在感

人気アニメの新シリーズともなると、それなりに旧来のファンからの目も厳しくなりがちなんだけど、こと本作に限っては概ね視聴者に好意的に受け入れたようだ。SNSを観ていると「スタイリッシュで面白かった」や「作画も音楽も素晴らしい」という賞賛の声が目立つ。

僕も、青いジャケットのルパンの目新しさに、なんとなく新鮮味を感じ、気合いの入った演出に何度もため息を漏らした。

こうやって良い原作を持つアニメが、何十年もファンに愛されるというのは、なかなか凄いことだ。それと同時に、こうした名作が2015年の現在でも放送できる背景にある、「パチンコマネー」というものに思いを馳せた。

僕の仕事の一つに、パチンコ攻略サイトでコラムを書いたり、実戦動画に出たりするというものがある。こういう仕事をしていると痛感するのが、現代においてアニメ、特撮を制作する上で発揮されるパチンコマネーの強さだ。

パチンコマネーが良質な作品を作るための資金源に

たとえば深夜特撮の金字塔に、「牙狼」というダークホラー作品がある。ワイヤーアクションとCGをバリバリに活用した大人向けの特撮番組で、今年10周年を迎えた。

コアなファンも多いこの「牙狼」、制作を支えているのがパチンコマネーだ。この「牙狼」のパチンコ台が、サンセイR&Dというメーカーからリリースされている。

かなりの爆発力を秘めたスペックだったため、これがパチンコユーザーに大いに受け入れられ、全国的に大量導入されるようになると、当然メーカーも、番組を制作した会社も儲かる。

これによって、さらに作りこまれた続編を制作することが可能となり、今やパチンコホールに「牙狼」の看板を冠する台は欠かせないものとなっている。

作品を作る。それがパチンコになる。パチンコがヒットすると儲かる。「牙狼」はこのループを、ここ何年も継続している。パチンコマネーで、良質な作品を作るだけの資金を得ているのだ。

同様のケースは枚挙にいとまがない。「新世紀エヴァンゲリオン」の新劇場版がパチンコマネーで作られたのは有名な話だ。日本特撮の金字塔である「ウルトラマン」だって、今では円谷プロダクションがパチンコ機の企画・販売会社の子会社となっている。

こういった例は最近では当たり前のようになっており、今やパチンコマネーなくしてアニメ、特撮シリーズの恒常的な制作はなかなか難しくなっていると言える。

ルパンの提供テロップにも大手パチンコメーカーの名前

ところでパチンコマネーと書いちゃうと、あまりいい気持ちがしないんは気のせいだろうか。やっぱり、自分が子供の頃から親しんだ作品が、なんというか、いわゆる大人の遊戯機の会社のおかげで成り立っているというのは、複雑な思いではある。

そしてルパンシリーズは今やその代名詞だ。番組の提供テロップに真っ先に表示されていたHEIWAというロゴ。このロゴこそ、平和という大手パチンコメーカーのものである。

1998年に初代がリリースされて以降、「ルパン三世」を題材にしたパチンコ、パチスロは数え切れないほど登場してきたが、そのほとんどが平和からリリースされている。言わば蜜月の関係なのだ。

つい先日も、新しいルパンのパチスロが登場したばかり。そのタイミングに新作アニメシリーズが放映開始となっているというわけで、これぞまさにパチンコマネーの力の偉大さを思い知るモデルケースだ。

まあ、とは言ってもこのご時世、クオリティの高い作品をテレビでやるには、どうしたって高いコストをかけないとダメ。そのコストを得るには、手段は選んでいられない時代になってるのかもしれない。

経緯はこの際どうでもいい!新たなルパンサーガに刮目しよう!

ここまで色々と書いてみたんだけど、やっぱり本編を視聴して思ったのは、「ルパンっていいなあ」だった。

元々、大人も子供も憧れるキャラクターが大勢登場するアニメが、現代のクオリティで縦横無尽に走り回って財宝の争奪戦をするというのは、なんとも心地よい。特に終盤には「え!? こいつも変装?」というサプライズもあって、思わずストーリーにのめり込んだものだ。

この調子なら、最終回まで逃がさず観てしまうというファンも多いはず。何より、パチンコマネーの助力もあっての新作だとしても、結果的にこの新シリーズで「ルパン三世」を知った新たなファン層が生まれてくれれば、今後はそうしたファンがグッズやDVDを買い揃え、文字通りの買い支えをして、それが新作の制作に繋がるはず。

そうなればきっと、パチンコマネーに嫌悪感を抱くファンであっても心置きなく楽しむことができるだろう。人気のコンテンツを未来に繋げるために存在していると考えて、パチンコマネーによって新作が誕生する現状は、もうしばらく見守っていきたい。

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