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チリ鉱山落盤事故を映画化、救出劇の全貌描く『THE 33』公開決定

2015年10月13日 12:50  CINRA.NET

CINRA.NET

『THE 33(原題)』 ©2015 ALCON ENTERTAINMENT,LLC
映画『THE 33(原題)』が、2016年に全国で公開される。

同作は、2010年8月にチリ・サンホセ鉱山で起きた落盤事故をもとにした作品。地下700メートルに鉱山作業員33人が生き埋めになった同事故では、発生から17日目に彼らの生存が確認され、69日目に全員が生還を果たした。映画では、食料と水の備蓄が3日分しか残されていない状況の中で生き延びようとする作業員たちの姿や、チリ政府を動かした家族の行動、国際救助チームによる画期的な救出作戦の裏側などが描かれる。

極限状況下でもユーモアを忘れない実在の作業員マリオ・セプルベダ役を演じるのはアントニオ・バンデラス。作業員である弟の救出を粘り強く訴え続けたマリア役をジュリエット・ビノシュ、地上の現場で指揮をとったロレンス・ゴルボルン鉱山大臣役をロドリゴ・サントロが演じる。

メガホンを取ったのはパトリシア・リゲン。プロデューサーを『ブラック・スワン』のマイク・メダボイが務めているほか、『モーターサイクル・ダイアリーズ』で『アカデミー賞』にノミネートされた脚本家のホセ・リベーラが綿密な取材によって原案を作成し、脚本には『ダラス・バイヤーズクラブ』のクレイグ・ボーテンが参加した。音楽は『タイタニック』で『アカデミー賞』作曲賞を受賞し、今年6月に飛行機事故で命を落としたジェームズ・ホーナー、衣装は『レ・ミゼラブル』のパコ・デルガド、視覚効果の監修は『ヒューゴの不思議な発明』のアレックス・ヘニングとベン・グロスマンが担当している。

■アントニオ・バンデラスのコメント
5年前、私を含めた何百万人もの人がこの事故にくぎ付けになった。それは、あの鉱山の中で69日間もの長い間生活し、無くなっては困るもの、例えば水や食料、子供たちの眼差し、妻の瞳、そして命の価値を映し出していたからだ。毎日あって当たり前のものが無くなるという状況を、人々は想像しただろう。
鉱山作業員33人にそれぞれの物語があり、地上で救出に当たった人たちや救出を待つ家族にも、全てが信じられないほど感動的なストーリーがあったはずだ。映画では全てを描くことはできないが、チリ人の協力性と団結力を忠実に伝えなければならないと思っている。
「マスク・オブ・ゾロ」は実在するヒーローではありません。でも、チリの鉱山作業員は実在するヒーローだ。そしてその仲間たちも実在する。そのことを私はこの映画で伝えたいと思っているのです。

■マリオ・セプルベダのコメント
この事故が20年前に起きていたら、おそらく私たちは救出されなかっただろう。今回の救出劇は、妻と家族や友人たちの努力と報道機関が起こした奇跡だ。私は地上にいる人たちの映像を見るたびに、今でも涙が止まらない。昼間はとても暑く、夜はとても寒い砂漠で苦しんでいた家族のことを思い出すんだ。
この奇跡が映画化されるということは、チリ人のチームワーク、特に逆境での団結力を全世界に伝えることができる。本当に、夢のようだよ。

■マイク・メダボイのコメント
実際にチリに住んでいたという経験が役立ち、この映画の映画権を獲得できた。チリの鉱山作業員たちにロスで会うことができたが、心が広くユーモアに溢れ、博識な彼らを目の前にして、まるで17歳のときに時間が遡ったような気がしたよ。この作品のストーリーは『わが谷は緑なりき』と『アポロ13』を組み合わせたような、サバイバルの勝利を描いている。作業員だけではなく家族と国にまたがるとても大きなストーリーで、最初に考えていたものよりずっと深いものになったんだ。