10月2日~4日に行われた世界ラリー選手権(WRC)の第11戦ツール・ド・コルス。今年は昨年までのアルザス地方から、7年ぶりにWRCを開催するコルシカ島へ開催地が変更されたが、参戦したチーム関係者やドライバーからは開催地変更について意見が分かれている。
フォルクスワーゲン・モータースポーツ代表のヨースト・カピートは、コルシカ島は施設が整っておらず、輸送費も掛かり過ぎるとコメント。来年度のツール・ド・コルス継続に否定的な意見を述べている。
「サービスパークはWRCが求める水準に達していなかった」とカピート。
「島を1周する必要があるのかも疑問だよ。週末は4つか5つのホテルを転々としたし、毎回料金を払う手間が発生してしまったからね」
「いくつかの項目において、このラリーは馬鹿げていた」
Mスポーツ代表のマルコム・ウィルソンもカピートに意見に同調したほか、チームのエルフィン・エバンスが総合首位を獲得したデイ1に観客や記者が少なかったことにも不満を漏らしている。
「プレスカンファレンスにはほとんど記者が出席していなかった。もちろん、チーム代表の会見にもね」
「観客についても同様だ。まったく視界に入らなかったと言ってもいい」
「我々は12ヵ月で、フランスで1番のサービスパークがあるアルザスから沼地へやってきてしまった。間違いなく、来年はコルシカ島からアルザスに戻るべきだ」
「主催者には同情しているし、デイ1に降った豪雨に対する対応は素晴らしかった。それでも、アルザスとは比べ物にならないんだ」
一方、地元フランスのチームであるシトロエン・モータースポーツのボス、イブ・マトンはツール・ド・コルスを批判するのは時期尚早だと語っている。
「結論を出すには早過ぎる。確かに昨年アルザスで行われたラリー・フランスには多くの観客がいた。しかし、今回のラリーと比較するべきなのは観客が少なかった開催初年度のアルザスだよ」
また、ドライバーの意見も大きく分かれている。ヘイデン・パドン(ヒュンダイi20 WRC)は3日間で9ステージしか設定されていなかったアイテナリーについて、批判的な意見を述べている。
「馴染みのないアイテナリーだった。待ち時間が長かったし、ステージ以外の走行も長かったからね。なぜ、パルクフェルメの道中に追加ステージを設けなかったんだろう」
「ステージが少なかったおかげで、スタート地点でずっと座って待っている羽目になったんだ」
WRC3連覇を達成したセバスチャン・オジェ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)は、アイテナリーに修正は必要であるものの、ステージの内容は素晴らしかったとコメントしている。
「ドライバーにとって挑戦しがいのあるラリーだったし、ステージを走るのも楽しかったよ」
「ネガティブなポイントは島の位置だろうね。アルザスに匹敵するくらいは難しいだろうけど、もっと観客を増やす必要がある」
「天気は本当にひどかった。この点に関してはアンラッキーだったね」
「ロングステージは維持してもいいと思うけど、もう少しステージ数を増やすべきだ。来年はほんのすこしアイテナリーを変更して、ロングステージは1日ひとつだけにしてみたらいいかもしれないね」