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ペダステ最新作が開幕!西田シャトナー「受け継ぐことで純化する」

2015年10月10日 23:00  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

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自転車競技部の高校生の成長を描く同名マンガを原作とした舞台『弱虫ペダル』(通称:ペダステ)。その第7作目である最新作「IRREGULAR~2つの頂上~」がいよいよ開幕。今回は、ペダステの第1作目から演出、脚本で携わる西田シャトナー氏にインタビュー。その見どころを語ってもらいました。 ―7作目の今作、稽古の雰囲気はどうですか? 「一生懸命、浮つくことなく、まじめにしっかり取り組めていると思います。今まで6作あったことが小さく感じられるような、新しい世界を見たいと思って芝居を作っています」 ―今回の座長である廣瀬さんと北村さんはどうですか? 「2人の共通点は初代キャストではないこと。彼らは初代キャストの馬場(良馬)くんや玉城(裕規)くんが描いた姿のその向こうにいる“本物の巻島・東堂”は何かということを一生懸命、目を凝らして見た人たちなんです。 それは僕ら人類の歴史と似ていて、受け継げば受け継ぐほど純粋になっていくことがあるんですよ。逆に濁ることもあるけどね。でもしっかり受け継げば、個人ではとらえられない、個人の力だけでは行くことのできない奥深くまで行くことができる。彼らはそれをやってきた2人です。 だからこの作品で“受け継ぐことによって純化していく”ということをはっきりと残すことができるんじゃないかと思っています」 ―それは今回のストーリーともリンクしていますか? 「完全にリンクしています。(インターハイを終え)彼らは自分たちのレースは終わった、というところから始まります。でも、よく考えたら勝負は終わってないんじゃないのか、それぞれが後輩たちに何をつなぐことができたのかということをもって、勝負が終わるんじゃないのかと。 彼らの勝負は、自分たちの代だけで終えるのではなく、頂上の向こうに消えていった2人の背中を見た後輩たちが決着をつけるというのが物語の核心です。そういうことが原作『弱虫ペダル』にもともと描かれていて、そこを今回、抽出しています」 ―作品を重ねるごとに見たいお客さんが増え、会場は大きくなっています。そこはどうとらえていますか? 「空間が倍になると、パワーを倍で演じても0.9倍くらいにしか感じられないんですよ。4倍のパワーで演じてやっと1.2倍くらいで感じられるという。大変なことをやっていると思います。だから、とにかく全力でやる以外には道がないんですよね」 ―北村さんが「みんな頑張っているので甘える人もいない」と話していましたが、お話を伺って、シャトナーさんの真摯さがそうさせるのかなと感じました。 「ふふふ。まあ、甘くなりそうなときはあったけどね(笑い)。だけど結果的に甘くできないですよね。全力でやっても行きたいところの途中までしか行かないから。 でも芝居っていうのは、旅の目的地に着いた姿を見せるんじゃなくて、その途中の姿を見せるものだから、これでいいと思います。今回はそういう意味でも、今までの作品の中で、最も自分たちと物語が重なる芝居になるんじゃないかな」 〈プロフィール〉 にしだしゃとなー/作家・演出家・俳優・折り紙作家。肉体表現とダイナミックな演出による独創的な舞台が人気。舞台『弱虫ペダル』シリーズは第1作(2012年)から携わっている (取材・文/中川實穂 撮影/佐々木みどり) 〈作品紹介〉 舞台『弱虫ペダル』IRREGULAR~2つの頂上~ 漫画『弱虫ペダル』(作:渡辺 航)を原作とした「いま最もチケットが取りにくい」といわれる舞台7作目。原作の主人公・小野田坂道の先輩で、同じクライマーの総北高校・巻島と、そのライバルである箱根学園・東堂がメーンのスピンオフ。卒業を間近に控えた2人を中心に描く。 [公演日] 名古屋:10月8日~10月12日、東京:10月22日~10月25日、大阪:10月29日~11月3日、福岡:11月7日~11月8日。詳しくは公式ホームページでチェック http://www.marv.jp/special/pedal/ (c)渡辺航(週刊少年チャンピオン)2008/弱虫ペダルGR製作委員会 (c)渡辺航(週刊少年チャンピオン)/マーベラス、東宝、ディー・バイ・エル・クリエイション