FIA世界耐久選手権(WEC)富士ラウンドの予選セッションが行われ、LMP1クラスは17号車ポルシェ919ハイブリッドが驚異的な速さを見せてポールポジションを獲得した。これで、ポルシェは今季全戦でのポールポジション獲得記録を継続することになった。
14時10分から行われた、WEC富士のLMPクラスの予選。気温は低いが、雨の心配はなさそうだ。中嶋一貴がドライブする1号車トヨタTS040ハイブリッドはピットから出ていくタイミングを遅らせてクリアラップを探る。8号車アウディR18 e-トロン・クアトロは、開始早々にピットアウトしたにも関わらず、アタックせずにピットイン。そのままガレージに戻されてしまう。
17号車ポルシェ919ハイブリッドは、ティモ・ベルンハルトのドライブで、とんでもないタイム。1分22秒888と、今年の8月にスーパーフォーミュラでアンドレ・ロッテラーが記録したレコードタイムまで0.3秒差に迫った。7号車アウディR18 e-トロン・クアトロのアンドレ・ロッテラーも1分23秒台前半まで詰め寄るが、17号車には0.3秒及ばず。1号車トヨタTS040ハイブリッドの中嶋一貴は、トップから1.8秒遅れの3番手である。その後、18号車ポルシェ919ハイブリッドもコースインし、17号車に遅れること0.128秒で2番手に浮上する。トラブルが心配された8号車アウディR18 e-トロン・クアトロは、その後無事にアタックを行い、4番手に入っている。トヨタは5番手と6番手。
アウディ7号車は、ブノワ・トレルイエにドライバーをチェンジ。驚速ポルシェに追いつくべく、渾身のアタックを行う。そして、彼も1分22秒台に入り、ポルシェに詰め寄るが、前に出るまでにはいかず。一方17号車ポルシェ919ハイブリッド、ふたり目はマーク・ウェーバー。ウェーバーはベルンハルトのタイムを更新し、1分22秒638を記録。今度はスーパーフォーミュラのレコードタイムに0.1秒差まで迫るタイムで、ポールポジションの座を確実なものとする。7号車アウディR18 e-トロン・クワトロはトレルイエが乗ったまま、何度もピットインを繰り返す。
セッション終盤、今度は18号車のポルシェ919ハイブリッドがタイムを上げ、ポルシェがワンツー体制。これでセッション終了。しかもポルシェはこれで、今季開幕戦からのポールポジション記録を継続したことになる。以下7号車、8号車のアウディR18 e-トロン・クアトロ。ポルシェのタイムは驚異的だが、アウディもこれによく食らいついており、2台揃ってトップから0.5秒差以内で続いている。そしてトヨタTS040ハイブリッドは1号車、2号車の順で5番手、6番手に終わっている。
LMP2クラスは26号車のG-ドライブ・レーシングがひとり目でトップタイムを記録すると、ふたり目には満を持してサム・バードが乗り込み、クラスポールポジションを獲得。2番手にも28号車G-ドライブ・レーシングが入って、こちらのクラスも同チームがフロントロウを占めた。
G-ドライブ・レーシング勢とフロントロウを争うと見られていた47号車KCMGは、ふたり目のニック・タンディがヘアピンの手前でリヤを出してハーフスピン。コース右側のバリアに激突してしまう。マシンに大きなダメージはなさそうだが、43号車チーム・サード・モランドに先行を許し、4番手に終わっている。
ポルシェ919ハイブリッドが、スーパーフォーミュラに迫る驚異的なラップを記録したWEC富士予選。アウディR18 e-トロン・クワトロも、そしてトヨタTS040ハイブリッドも確実に速くなっている(全車ともこれまでのレコードタイムを更新するラップタイムを出している)がしかし、今回もポールポジションを獲得したのは、ポルシェだった。さて、明日の決勝はどんな展開になるのか? 心配される雨は? 6時間レースの決勝は、11日(日)11時スタート予定である。